2024 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a regional network for radiation sterilization to ensure hygiene during rescue and restoration of damaged cultural properties
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24K00157
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| Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
古田 雅一 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員教授 (40181458)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正和 神戸大学, 地域連携推進本部, 特命准教授 (70379329)
片岡 憲昭 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部技術支援部計測分析技術グループ, 副主任研究員 (20757380)
朝田 良子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60546349)
久米田 裕子 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員教授 (10250317)
秋吉 優史 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70378793)
田中 真美 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部バイオ技術グループ, 副主任研究員 (10614547)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Keywords | 文化財 / 救出 / カビ / 殺菌 / 放射線 |
| Outline of Annual Research Achievements |
被災文化財救出活動の法整備と行政対応の歴史と現状と「被災資料ネットワーク」の救出活動の歴史と現状、特に汚損した古文書の修復においてカビ殺菌の観点からの放射線利用の可能性についてまとめ、6月21日の放射線利用促進協議会講演会での公演を通じて課題を再確認した。我が国ではすでに文化財保護法に基づいた文化財防災センターが国立文化財機構に設置され、被災した文化財をできるだけ迅速に救援するための体制づくりと技術開発、そして災害時の救援活動に対する支援により、国宝、重要文化財のような国の指定文化財については被災時の救出手順等の整備が進んでいる。しかし、地域において保管されている法的に未指定の古文書類の救出、修復についてはボランティア活動としての歴史資料ネットワーク「資料ネット」の公的支援の拡大が望まれている。これらの活動による資料の救出においてはカビ殺菌が不可欠であり、放射線照射施設や可搬型の低エネルギーX線照射装置の活用が有利であることが示された。低エネルギーX線照射装置の殺菌への応用に必要なX線のエネルギー特性と線量分布との関係を明らかにし、Aspergillus nigerをモデルとして低エネルギーX線の殺菌効果を明らかにした。上記の成果をRadiation Physics Chcemistry誌に発表するとともにカビと生活、考古学ジャーナルに解説を投稿した。更に10月14-19日にイタリア、ローマで開催されたIAEA CRP (Coordinated Research Project)の第二回会議(The Second Research Coordination Meeting on “Development and Implementation of Cultural Heritage Preservation Using Ionizing Radiation Technology (F22082)” EVT2304149)において発表した。また11月26-27日2東京大学で開催された放射線プロセスシンポジウムにおいてもポスター発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標である被災文化財の放射線殺菌の地域ネットワーク構築に不可欠な被災文化財救出の法整備と行政対応の歴史と現状と「被災資料ネットワーク」の救出活動の歴史と現状、特に汚損した古文書の修復においてカビ殺菌の観点からの放射線利用の可能性について良き指針が得られ、低エネルギーX線照射装置の活用の可能性について上記の現状に見合う基礎データが得られつつある。これらのデータを得る過程で分担研究者がそれぞれの専門の立場から時宜を得た有用なアドバイスが得られていることも研究の順調な進捗に寄与していると考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
和紙の放射線照射後の劣化の有無の状態を知るためにはさらなる強度試験が不可欠であるので、江戸時代の和紙の製法に近い兵庫県産の「杉原紙」(コーゾを原料として米粉を添加して紙漉きを行う)に対する耐折試験を中心に次年度も継続してデータを蓄積する。またカビの抗菌試験については分担研究者とともに被災古文書から見つかる他のカビ種の中で抗菌試験の指標として利用されているCladosporium sphaerospermum, Aureobasidium pullulans等の菌種について低エネルギーX線の利用も含む放射線感受性と殺菌条件を明らかにする。同時に実際に被災した実資料に対するX線の透過性など線量分布についても明らかにする。これらの結果の実際の被災文化財救出活動の中での活用方法について検討し、実際に災害から救出された古文書の放射線施設(ガンマ線、電子線)への移送と殺菌、その後の保管など現実的な問題点を明らかにする。
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| Causes of Carryover |
次年度にまたがる継続実験のため物品費の執行が次年度に先送れされているため。
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[Presentation] 被災文化財の救出、修復時のカビ殺菌への放射線利用を目指して2024
Author(s)
古田 雅一, 朝田良子, 神野八重美, 角野友美, 秋吉優史, 松下 正和, 片岡憲昭, 田中真美, 廣庭隆行, 久米田裕子, Nguyen Thi Thuy Linh, 久米民和
Organizer
第19回放射線プロセスシンポジウム
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