2024 Fiscal Year Research-status Report
Development of digital technology and new regulations - competition law, co-regulation, ex-ante regulation, and AI regulation -
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24K00203
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| Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土田 和博 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60163820)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 亜理砂 駒澤大学, 法曹養成研究科, 教授 (00298069)
武田 邦宣 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (00305674)
長谷河 亜希子 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00431429)
渕川 和彦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (00711227)
高木 浩光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10262958)
洪 淳康 金沢大学, 法学系, 教授 (10554462)
伊永 大輔 東北大学, 法学研究科, 教授 (10610537)
中里 浩 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (10965487)
林 秀弥 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30364037)
小向 太郎 中央大学, 国際情報学部, 教授 (30780316)
小田切 宏之 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40114053)
成原 慧 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
舟田 正之 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (60062676)
青柳 由香 法政大学, 法学部, 教授 (60548155)
東條 吉純 立教大学, 法学部, 教授 (70277739)
川島 富士雄 神戸大学, 法学研究科, 教授 (80234061)
瀬領 真悟 同志社大学, 法学部, 教授 (90192624)
柴田 潤子 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90294743)
渡邉 昭成 国士舘大学, 法学部, 教授 (90329061)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Keywords | デジタル経済 / デジタルプラットフォーム / 競争法 / 共同規制 / 事前規制 / AI規制 / AI / 独占禁止法 |
| Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2024年度の研究会は、以下のように実施した。 ①6月1日、自己紹介と研究計画、②7月27日、岩成博夫(公正取引委員会)「スマホソフトウェア競争促進法について」、③9月14日、渡辺昭成(国士館大学)「英国デジタル市場競争消費者法について」、④11月30日、東條吉純(立教大学) 「Google事件米国連邦地裁判決(2024.8.5)について」、⑤2025年1月25日、中島菜子(公正取引委員会)「デジタル分野における事件審査について」、⑥2月22日、土田和博(早稲田大学)「Epic Games v. Apple, 2023 WL 3050076 (9th Cir. April 24, 2023)について」、瀬領真悟(同志社大学)「Amazon Buybox CASE AT.40462について」、⑦3月15日、柴田潤子(神戸大学)「ドイツ・フェイスブック事件BGH、Facebook先決裁定(EU)について」、若林亜理砂(駒澤大学)「Microsoft/Activision Blizzard-CMA決定について」。 上記の研究会に加えて、2024年度には、研究代表者と分担者が、日本経済法学会2024年度大会「デジタル経済と新たな規制の展開」(10月12日、於早稲田大学)において、次のようなテーマで学会報告を行った。土田和博「デジタル経済と新たな規制の展開」、瀬領真悟「共同規制の現状と課題」、伊永大輔「デジタル市場における事前規制」、渕川和彦「AIアルゴリズムの活用とその競争法上の規制」。そのほか研究協力者である、Ariel Ezrachi(オックスフォード大学)「『介入すべきか否か、それが問題だ』―生成AIの競争への影響の検討」、Giorgio Monti(ティルブルフ大学)「EUデジタル市場法―目的・運用・機会」のコメントも行われた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デジタルプラットフォーム(DPという)や生成AI等の人工知能は、私達の生活の利便性を高め、利用事業者の取引機会を拡大し、学習や仕事の効率性を飛躍的に高めるなど現代社会に多大な便益をもたらす一方、プライバシー侵害のおそれ、利用事業者のプラットフォームへの依存・従属や、偽・誤情報の拡散、雇用への影響、格差の更なる拡大等も懸念されている。こうした問題に、法はどのように対応すべきであろうか。 本研究は、主に経済法と情報法の観点から、このような課題を検討することを目的とする。より具体的に本研究が取り組むべき課題は、DPの優れた技術革新の芽を摘むことなく、DPの生み出す問題・弊害を、競争法(日本の独占禁止法、米国の反トラスト法、EUの競争法、中国の反壟断法、韓国の独占規制法等)は、どのように解決することができるか、現在の競争法に一定の限界があるとすれば、いかなる対策を経済法は取ることができるか、大規模言語モデル(LLM)による生成AIの急速な発展と懸念に対して、特に情報法はどのように応答すべきかというものである こうした目的と解明すべき課題に対して、初年度である2024年度には、当初の計画どおり、DPが提起する問題を改めて整理し、これに日本の独占禁止法、外国の競争法がどの程度有効に対処し得てきたか、困難な面があるとすれば、それは何故かを検討することから始めた。その結果、競争法の限界については、研究代表者が2024年度に日本経済法学会年報45号に「デジタル経済と新たな規制の展開-競争法・独禁法の困難と有効性-」と題する論文を執筆するとともに、同名の学会報告を行った。また、公正取引委員会のデジタル分野の事件審査に当たる担当者から、同分野における独禁法執行の困難について直接に報告を受け、質疑応答を行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により明らかになったように、DPの提起する問題に対して競争法に一定の困難や限界があること(行為要件、効果要件ともにデジタル分野においては、要件該当性の判断が困難であり、またその判断に著しく長期間を要すること)が否めないとすると、次に考えられる法的対応は、共同規制(国家が規律の大枠を定めながら事業者の自主的な取組を尊重するという規制枠組み)の可能性である。現に日本では「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(令和2年法律第38号、取引透明化法)、EUでは「オンライン仲介サービス利用事業者のための公正性と透明性の促進に関する規則」(2019年、P2B規則)が制定され、運用されている。ただし、取引透明化法もP2B規則も、DPの取引条件の開示義務、苦情紛争処理の手続と体制の整備を定めることにより、DPの上記のような問題の一部について自主規制を促すにとどまる(取引透明化法は、これに経済産業省におけるモニタリングリビューや勧告制度が加わり、P2B規則は調停、団体訴訟についても定める)。 2025年度は、共同規制とは何か、それが有効に働く条件はいかなるものか、これに関係するとされるアジャイルガバナンスとは、どのような思想で、いかなる条件が整えば機動的で柔軟なガバナンスといえるか等の基礎理論的な問題のほか、取引透明化法やP2B規則の運用状況を共同規制の有効性と限界の観点から検討する。そのため取引透明化法の対象であるオンラインモール、アプリストア、デジタル広告の関係者にインタビューを行うと共に、P2B規則については欧州委員会やドイツ等のEU加盟国、事業者団体、弁護士事務所等への調査を行いたい。
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| Causes of Carryover |
2024年度は、デジタルプラットフォームが提起する問題に日本の独占禁止法、外国の競争法がどの程度有効に対応できるか、困難な面があるとすれば、それは何故かを検討することが主要な課題であった。そのような課題の研究は、独占禁止法に関しては、おおむね計画どおりに遂行された。EU競争法の困難に関しては、当初の計画では、欧州に出張して調査することを予定していたところ、24年10月の日本経済法学会(於早稲田大学)に、Ariel Ezrachi教授(Oxford大学)とMario Monti教授(Tilburg大学)が参加した際、両教授の報告と質疑応答などにより、実質的にこれを行うことができた。 両教授の学会参加と同時通訳等の費用は、2024年10月まで繰り越すことのできた基盤研究A「データ駆動型社会の法に関する領域横断的研究‐デジタルプラットフォームを焦点に」から支出したため、基盤研究B「デジタル技術の発展と新たな規制の展開-競争法、共同規制、事前規制、AI規制」の24年度予算には、次年度使用額が生じた。 2024年度に使用できず、翌年度に繰り越した予算は、外国競争法の困難に関する補充的研究と、25年度の研究課題である「共同規制・アジャイルガバナンス」の研究(取引透明化法の実効性を研究するための事業者へのヒアリングの謝金等、EUのP2B規則に関する調査のための外国旅費等)に使用することしたい。
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