2024 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Tsunami Warning Cancellation Method Using Data Assimilation
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24K01140
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| Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
王 宇晨 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), 研究員 (80943290)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 健太郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー代理 (20554497)
林 豊 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 室長 (40370332)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 津波警報 / データ同化 / 津波警報解除 / 海底圧力計 / 海洋短波レーダー |
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、実際の津波事例および数値実験を通じて、津波警報の「発表」から「解除」に至る包括的な早期警戒プロセスにおけるデータ同化技術の有効性を検証し、津波後続波に着目した新たな解除判断手法の構築を目指して検討を進めた。 第一に、2023年10月8日鳥島に発生した津波事例に対し、震源情報を用いずに沖合観測網(DONET)による津波観測データを同化することで、沿岸到達前に津波波動場を再構築し,津波予測に関する試行を実施した。その結果、紀伊半島沿岸(熊野・串本・白浜)において、津波到達20分以上前に高精度な波形予測が可能であることを確認した。また、データ同化手法は津波後続波の予測に対しても有効であり、22時頃には津波警報解除に向けた有力な判断材料となることを示すことができた。さらに、津波後続波の時間変化を移動平均平方根振幅(MRMS)により定量的に評価し、警報解除のタイミングに関する指標としての有用性を明らかにした。本研究は、津波警報の即時的な解除判断を支援する新たな方法論として期待される。 第二に、2011年東北地方太平洋沖地震の津波を対象に、海洋短波レーダーによる海面流速観測データを活用したデータ同化を行い、紀伊水道における波動場の再現と予測精度の検証を実施した。時系列データを用いた同化により、神戸において津波到達の50分以上前から波形を安定的に予測できることを実証した。また、後続波の予測についても同化開始後20分で有効な予測が可能となることを実証した。これにより、地震性津波に対する海洋短波レーダーの有効性と同化手法の応用可能性を初めて示した点で、本研究の意義は大きい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究課題を順調に遂行し、査読付き国際誌を2編発表するとともに、研究成果を各種学会で発表した。研究代表者は津波警報解除に関する研究で米国地震学会(SSA)およびアジア・オセアニア地球科学学会(AOGS)から表彰を受けた。 具体的には、海底圧力計のデータ同化を用いて津波の後続波を予測する手法を提案した。線形伝播モデルを活用することで、2023年の鳥島津波の事例で良好な結果を得ることができた。これは、初めてデータ同化手法を用いて、津波初動から後続波までを効果的に予測したものである。同時に、海洋短波レーダーを導入した検討も進めることができた。海洋短波レーダーと津波データ同化による津波予測については,ペルー・チリ沖を想定した模擬的な数値実験や実データを用いた試行を進めている。特に、近地津波と遠地津波の異なる発生や伝播過程に対応するため、観測配置シナリオ、波形予測精度評価を通じて、警報解除に特化した評価指標の開発を目指し検討を進めている。 以上のことから、2024年度の研究は当初の計画以上に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は津波データ同化手法と非線形波動モデルを融合し、津波後続波の特性をより適切に予測する解析手法の確立を目指す。具体的には、地形データの精度が津波予測に与える影響を体系的に検証し、浅海域での津波伝播解析の精度向上を目指す。また、波動境界層の特性と定常流抵抗則への遷移過程を考慮した波動摩擦則を導入した非線形モデルを構築し、浅海域での非線形影響を精緻に評価する。2011年東北沖地震津波をケーススタディとして、沖合観測網と験潮記録が存在する三重県沿岸を対象に津波後続波への影響について検討を行う。 さらに、地形データ精度が津波の共振励起、後続波の持続時間や振幅に与える影響を評価するために、日本海津軽海峡沿岸、岩手県大船渡沿岸や三重県尾鷲沿岸のいずれかをモデル地域とし、長期間の連続海底圧力観測を実施する。 海洋短波レーダーと沖合圧力観測網を統合し、精細な海底地形モデルと波動摩擦則を導入した非線形波動モデルを利用したデータ同化手法の計算手法を最適化する。このプロセスを通じて、各精度レベルの地形データが津波共振、特に後続波の持続時間や波高に与える影響を総合的に評価する。 これらの成果をまとめて、国内外の津波に関連する学会や国際論文誌に発表する予定である。
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| Causes of Carryover |
2024年度にEICスーパーコンピュータを使用したため(王)、PCの調達経費に未使用額が生じた。また、出張が当初の予定より少なかったため(今井・林)、旅費にも未使用額が発生した。2025年度において非線形要因の影響をより適切に研究するためには、複数回の現地観測が必要となり、それに伴って相応の経費も必要となる。また、世界的な物価上昇の影響により、学会参加にかかる費用も増加している。ついては、2024年度に未使用の研究費を2025年度に繰り越して使用させていただきたい。
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