2024 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザパンデミック制御におけるニワトリトランスジェニック技術の展開
| Project/Area Number |
24K01268
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| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西島 謙一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10262891)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 弘樹 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (20449507)
金岡 英徳 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (30631973)
奥嵜 雄也 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (30837208)
内田 裕子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長 (80442797)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Keywords | ニワトリ / トランスジェニック / インフルエンザ / ワクチン |
| Outline of Annual Research Achievements |
発育鶏卵でインフルエンザウイルス株が増殖する際には漿尿膜上に存在する糖鎖が必要であり、この糖鎖のミスマッチが時にワクチンの生産性や品質を著しく低下させることがある。糖鎖を最適化できれば、理論上全てのヒトワクチン株を発育鶏卵で効率よく増殖させることが可能となる。このために必要となるCreリコンビナーゼを発現するニワトリと、プロモーターと目的酵素遺伝子の間をスタッファーで区切った2種のニワトリ系統が作製できたため、今年度はこれらのニワトリの成熟後に2系統を交配して得られた受精卵の解析を行った。Creリコンビナーゼが作用するとゲノムからスタッファーが除去され、目的遺伝子が強力なプロモーターで発現する仕組みになっている。ゲノムPCRでは、スタッファーとCreの両遺伝子を持つ胚が認められ、当初想定通りCre遺伝子を持つ胚においても解析時点でCreリコンビナーゼによるスタッファーの除去効率が100%ではないことが確認された。次に定量RT-PCRによる目的遺伝子の発現量を定量したところ、両遺伝子を持つ胚の漿尿膜においても目的の遺伝子の発現上昇は限定的なものであった。その原因を調べるために、導入した他の遺伝子の発現を測定したところ、スタッファーとして挿入したmCherry遺伝子の発現が強く残存すること及びCreリコンビナーゼの発現が非常に低いことが明らかとなった。より強くCreリコンビナーゼを発現するニワトリが必要であると考えられたことから、強力なプロモータ-によりCreリコンビナーゼを発現するためのコンストラクトを新たに作製した。ニワトリ始原生殖細胞株に遺伝子導入を行い、Creリコンビナーゼの発現を確認した後、これまでの手法に則りレシピエント胚に移植し複数の生殖腺キメラニワトリを作製した。これらのニワトリが成熟次第交配により系統を確立して再度糖鎖変換を確認する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的遺伝子の発現が期待よりも低いことが明らかになったため追加で遺伝子改変ニワトリの作製が必要となった。発現効率上昇のための対策は順調に進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
Creリコンビナーゼを強く発現するニワトリが必要となり、プロモーターを変更して新たなニワトリの作製を急いでいる。性成熟するために若干時間がかかるが、新規トランスジェニックニワトリ系統の作製に関しては、これまでに効率化を進めてきた方法を適用しており特に問題となる点は想定されない。系統が樹立でき次第、2系統を交配して受精卵の解析及びウイルスの増殖能等を検討する。
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| Causes of Carryover |
期待した遺伝子発現レベルが得られなかったため受精卵を対象とした解析の一部は行わなかった。このため消耗品を中心に繰り越すこととなった。次年度の利用を計画している。
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