2024 Fiscal Year Research-status Report
Happiness and Urban Green Infrastructure: An Empirical Analysis Using Multiple Indicators
| Project/Area Number |
24K03144
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| Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古谷 勝則 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (10238694)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 唯 茨城大学, 応用生物学野, 講師 (00793803)
水内 佑輔 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40768602)
矢澤 優理子 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任助教 (60957364)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | グリーンインフラ / 幸福感 / 空間スケール / 定量化 / 方法論 / アクセシビリティ / インフォーマル緑地 / 生態系サービス価値 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「市民目線でのグリーンインフラ(GI)に対する幸福感を空間スケール別に定量化する方法論を構築する」ことを目的としている。 当該年度は、この目的達成に向けた基礎的研究を着実に推進し、当初計画の研究協力者らとともに国際学術誌に3編の論文を公表した。 第一に、GIの一形態である都市公園について、子供のニーズを考慮したアクセシビリティ評価手法として、2段階浮動キャッチメントエリア法(2SFCA)を改善し、中国長沙市を事例にその有効性を実証した。これは、計画の「市民目線」と「空間スケール別定量化」に直接貢献する成果である。 第二に、近年注目されているインフォーマル緑地(IGS)について、学術研究における多様な定義や研究動向を包括的にレビューし、その概念を整理した。IGSは都市における重要な緑地資源であり、本研究が対象とするGIの範囲を捉え直し、方法論構築の基盤となる知見を提供した。 第三に、GIの代表例である国立公園(阿寒摩周国立公園)を対象に、土地利用・土地被覆(LULC)変化と生態系サービス価値(ESV)の動態を、観光振興政策との関連で分析した。これにより、GIの多面的な価値評価と持続可能な管理方策を探る上での重要な示唆を得た。特に文化サービス(レクリエーション等)の評価は、幸福感の定量化にも関連する視点である。 これらの研究成果は、多様なGIタイプ(公園、IGS、国立公園)を対象とし、アクセシビリティ評価手法の改善、GI概念の整理、ESV評価といった多角的なアプローチを通じて、GIに対する市民(子供を含む)の恩恵や認識を捉えるための方法論構築に向けた重要な基盤を築いた。当初の研究計画に照らし、研究は順調に進捗しており、今後の調査(主観測定、活動モニタリング等)を通じて、より精緻な幸福感定量化手法の確立を目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画は、「市民目線でのGIに対する幸福感を空間スケール別に定量化する方法論を構築する」ことを目的とし、令和6年度(研究1年目)は、主に調査①(客観的測定とデータの可視化)、調査②(ソーシャルビッグデータによる質的評価)、調査③(主観的測定)の準備・開始と、関連研究のレビュー、論文投稿を予定していた。 当該年度においては、計画に沿って研究を推進し、国際学術誌に3編の論文を発表するという具体的な成果を上げることができた。これらの論文は、当初計画の研究協力者(Yuhui Liao氏、Duy Thong Ta氏、Huixin Wang氏など)との共同研究の成果であり、計画された研究体制が機能していることを示している。 特に、「子供の都市公園へのアクセシビリティ評価手法の改善(2SFCA法の改良)」に関する論文は、研究目的の中核である「市民目線」と「空間スケール別の定量化」に直接的に貢献するものであり、方法論構築に向けた重要な一歩となった。また、「インフォーマル緑地の概念整理」に関する論文は、GIの多様性を捉える上で不可欠な基礎的知見を提供し、「国立公園におけるLULC変化とESV評価」に関する論文は、GIの多面的価値評価という応用的な視点を提供するものである。 これらの成果は、当初計画していた研究項目(調査①客観的測定、調査②ソーシャルビッグデータ分析、調査③主観的測定の一部)に関連する要素を含んでおり、方法論構築に向けた理論的・実証的基盤を着実に固めている。④活動のモニタリングのための予備調査として、現地でLiDAR機器を用いて点群データの取得した。ソーシャルビッグデータを取得し、予備的調査結果の論文執筆を行った(水内・古谷)。 研究環境や研究分担者・協力者との連携も良好であり、次年度以降の研究展開に向けた準備も整いつつある。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的である「市民目線でのGIに対する幸福感を空間スケール別に定量化する方法論の構築」に向け、当該年度に得られた研究成果(アクセシビリティ評価手法の改善、IGS概念の整理、ESV評価等)を基盤とし、当初の研究計画に沿って研究を推進する。 具体的には、令和7年度(研究2年目)以降、以下の調査・分析を本格化させる。 まず、調査③「主観的測定」として、幸福感に関する指標を組み込んだインタビュー調査(フォーカス・グループ・セッション等)を実施し、住民のGIに対する感情や経験、幸福感の構成要素を質的に把握する。 次に、調査④「活動のモニタリング」として、ウェアラブル機器とスマートフォンアプリを用いて、公園、都市林、伝統的庭園などの個別GIにおける個人の身体活動(心拍数変化等)と位置情報、主観的評価(幸福感、ストレス軽減効果等)を時系列で計測する。これにより、GI空間での具体的な体験が心身に与える影響を客観的・主観的データから明らかにする。 さらに、調査⑤「市民活動のモニタリング」として、GIにおける市民活動(保全活動、レクリエーションイベント等)として、活動参加者の身体活動や主観評価を、調査④と同様の手法で測定し、GIを介したコミュニティ活動がもたらす幸福感や社会的結束への効果を検証する。 これらの調査で得られる多様なデータ(空間情報、ソーシャルビッグデータ、アンケート・インタビューデータ、生体・行動データ)を統合的に分析する手法の開発が今後の重要な課題となる。特に、異なる空間スケール(大都市レベル、都市レベル、個別GIレベル)で測定される幸福感の指標を比較検討し、汎用性のある定量化方法論へと昇華させることを目指す。当該年度に改善した2SFCA法やIGSの概念も活用し、より精度の高い分析を行う。市民や自治体との連携を密にし、研究成果が実際のGI計画・管理に資するよう努める。
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| Causes of Carryover |
理由: 当初計画に対し、研究の一部実施に遅延が生じたため、経費の一部を次年度に使用する必要が生じました。主な理由は以下の通りです。研究分担者(高瀬、水内、矢澤)が主体的に担当する調査③(主観的測定)、調査④(活動モニタリング)、調査①(客観的測定と可視化) に関して、調査準備(調査対象地域との調整、機器選定・調達、データ契約等) に時間を要し、関連経費の執行開始が次年度にずれ込んだためです。研究代表者(古谷)担当分においても、一部の物品購入や旅費の執行が、研究全体の進捗に合わせて次年度に移行したため。 使用計画: 次年度(令和7年度)において、繰越金は、当初計画に基づき以下の研究活動を推進するために使用します。調査③(主観的測定)関連経費: 住民へのアンケート・インタビュー調査実施に係る経費(謝金、旅費、消耗品費等)(主に高瀬分担者担当分)。 調査④(活動モニタリング)関連経費: ウェアラブル機器のレンタル・データ解析等に係る経費(借損料、消耗品費等)(主に水内分担者担当分)。調査①(客観的測定と可視化)関連経費: 衛星画像利用・GIS解析、鳥類の調査等に係る経費(データ利用料、消耗品費等)(主に矢澤分担者担当分)。繰越金を活用し、令和7年度に計画されている各調査 を着実に実施することで、研究全体の遅延を解消し、計画通りの研究成果達成を目指します。
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