2024 Fiscal Year Research-status Report
肺がんCT検診の性能向上のための遺伝情報と画像情報の融合研究
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24K03308
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| Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河田 佳樹 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (70274264)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 登 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (80116847)
楠本 昌彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (90252767) [Withdrawn]
土田 敬明 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (80256239)
松元 祐司 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (00600579)
井本 逸勢 愛知県がんセンター(研究所), 研究所長, 研究所長 (30258610)
原田 武志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10618359)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 肺がん検診 / 経時CT画像 / 遺伝情報 / マルチモーダル融合 / ラジオゲノミクス |
| Outline of Annual Research Achievements |
がん死因第1位の肺がんの早期発見は重要である.低線量CTを用いた肺がん検診(低線量肺がんCT検診)は,要精検率が高く,偽陽性の結節をどう抑えるかが課題となっている.肺がんリスクは遺伝子の個人差による影響が大きく,偽陽性の結節を抑える定量的基準に肺がん遺伝的要因を反映させるには,CT画像と遺伝情報をどのように融合すればよいか,肺がん病態に関連する因子・特徴や構造を抽出し解釈できるか明らかにすることが重要である.本研究は,経時CT画像と遺伝情報のマルチモーダル融合によるラジオゲノミクスの方法論を開発し,解析結果に関連する肺がんの病態を明らかにして肺がんリスクの背後にある特徴や構造の抽出を可能にし,要精検率の抑制を導く肺がんリスク予測法を開発する.このために,(1)経時CT画像・遺伝情報データベースの構築,(2)マルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発,(3)プロタイプ実証実験に取り組む.当該年度は,(1)及び(2)を進めた. 1.経時CT画像・遺伝情報データベースの構築準備を進め,次の情報検索項目を整備できるよう準備を行った.胸部CT画像,検診者背景(年齢・性別・喫煙歴),診断結果(確定診断有無),病理情報(組織型・臨床/病理病期・血管侵襲・リンパ管侵襲), SNPsの遺伝情報. 2.マルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発のため,経時CT画像の画像表現型と肺がん病態及び遺伝情報との関連解析の手法の調査と開発を進めた.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,経時CT画像と遺伝情報のマルチモーダル融合によるラジオゲノミクスの方法論を開発し,解析結果に関連する肺がん病態を明らかにするとともに,肺がんリスクの背後にある特徴や構造の抽出を可能とすることで,要精検率の抑制を導く肺がんリスク予測に必要な方法論を解明し,低線量肺がんCT検診の精度向上に貢献することを目的としている.このため,経時CT画像および遺伝情報を活用したデータベース構築に向けて,胸部CT画像,検診者背景,診断結果,病理情報,SNPsの遺伝情報などの検索項目を整備する準備を進めた.また,経時CT画像と遺伝情報のマルチモーダル情報をいかに融合すべきか,さらにその融合情報から肺がん病態に関連する因子・特徴・構造をどのように抽出・解釈できるかを明らかにするために,申請者らが開発を進めてきた深層学習による胸部構造解析法を発展させ,経時CT画像からの画像表現型の解析法を新たに開発した.胸部3次元CT画像から,結節,リンパ節や血管・気管支などの管構造,ならびに胸膜・葉間膜といった膜構造の変化を定量化するために,深層学習モデルを用いた再現性の高い解析手法の開発を行った.さらに,肺門・縦隔リンパ節など,隣接する臓器との濃度差が僅かであるために教師データ作成に時間を要する部位に対しては,人間とアルゴリズムが協調して正確なアノテーションを効率的に生成するヒューマン・イン・ザ・ループ手法を導入した解析法の構築を進めた.肺動静脈の管構造解析および肺門・縦隔リンパ節アノテーションを推進するツールの第1バージョンを開発し,定量的表現へと繋がる成果を得て,国際会議にて成果発表を行った. 現在,経時CT画像および遺伝情報の統合データベース構築,ならびにマルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発に向けた基盤整備が進んでおり,今後の研究を継続的かつ強力に推進する体制が整いつつある.
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は,(1)経時CT画像・遺伝情報データベースの構築,(2)マルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発,(3)プロトタイプ実証実験に取り組むものである.経時CT画像上における肺がんの形態,内部および周囲の濃度分布,ならびに気管支・血管・リンパ節などの既存周囲構造の変化と,肺がんへの罹患リスクを決定する遺伝的個人差との関連性を明らかにするために,ラジオゲノミクスの方法論開発を目指す.特に,肺門・縦隔部位の構造は,肺がんおよびリンパ節領域の高精度解析において障壁となっており,この部位の正常構造モデルを積極的に導入することで,肺がんおよびリンパ節領域の精密解析を可能とする手法の確立に向けて実施する.さらに,経時CT画像と遺伝情報のマルチモーダル情報を融合するための手法の開発にも注力し,研究実施計画を着実に推進する. 【1】経時CT画像・遺伝情報データベースの構築:共同研究施設からのデータ提供を受け,解析手法の開発およびマルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発に向けたデータベースの構築を継続する. 【2】マルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発:以下の2点を柱として,継続的に研究開発を進める.【2-1】経時CT画像からの深層学習による画像表現型の解析法の開発として,胸部3次元CT画像から肺がんに関係する構造的特徴を深層学習により抽出し,画像表現型として定量化する手法を継続して開発する.【2-2】経時CT画像と遺伝情報のマルチモーダル融合によるラジオゲノミクス検診法の開発を行う. 研究分担者には,経時CT画像・遺伝情報・診療情報の提供,病理・診療記録の提供,および臨床的有効性の評価を依頼して研究開発を進める.経時CT画像の画像表現型と肺がん病態及び遺伝情報との関連解析について得られた結果を取りまとめ,成果の発表を行う.
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| Causes of Carryover |
理由:予定していた経時CT画像および遺伝情報データベースの構築に関し,研究分担者が所属する研究機関の研究倫理審査委員会の承認取得に時間を要したため,一部の作業を次年度に実施することとなり,次年度使用額が発生した. 使用計画:研究倫理審査委員会の承認を円滑に得られるよう,研究分担者との連携を一層強化し,経時CT画像および遺伝情報データベースの構築に必要な遺伝情報等のデータ収集に係る費用を,物品費と併せて適切に使用する予定である.
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