2024 Fiscal Year Research-status Report
「沖縄問題」認識構造の形成過程に関する実証的研究:中野好夫文庫史料による再検討
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24K04231
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| Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大里 知子 法政大学, 沖縄文化研究所, 教授 (20794506)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸邉 秀明 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (90366998)
萩原 真美 琉球大学, 学内共同利用施設等, 協力研究員 (90849316)
高江洲 昌哉 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (10449366)
明田川 融 法政大学, 法学部, 教授 (90811034)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 沖縄近現代史 / 沖縄問題 / 沖縄報道 / 中野好夫 / 沖縄関係記事データベース |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は現在法政大学沖縄文化研究所が所蔵する「中野好夫記念文庫」の史資料群を活用し、政治・社会運動・教育等の領域において「沖縄問題」に関する認識構造の形成過程について検証することを目的としている。 「中野文庫」に所収されている史資料群は、おおよそ1960年代から沖縄の施政権が米国から日本国へ返還された1972年までの間に中野好夫氏が主宰していた「沖縄資料センター」によって、沖縄に関する情報を「本土」に知らしめようとして収集されたものである。したがって、これらの史料群を活用することで、「沖縄問題」認識に関する解明のみならず、広く沖縄近現代史の検証による学術的進展に資することができる。 そこで本研究においては、研究事業の柱として「中野文庫」に含まれる新聞及び雑誌の記事データベース作成に取り組んでいる。2024年度は主に1960年代に沖縄を含む全国の新聞を対象に収集された記事の切抜帳について、劣化防止の措置をとりつつ、記事ごとに諸情報を各項目に分けて入力し、データベース構築のための基礎データ作成を行った。 また、この作業と併行して、研究代表者・分担者各人が自己の研究領域において同史料群を活用し研究成果を発表した。具体的には、軍事化と観光化/日米地位協定/「基地国家」/東西冷戦下の東アジア/占領初期沖縄群島における本土との教育格差/帝国統治構造論/琉球沖縄史の記述にみる「台湾事件」/首里城の再建などのテーマから主に戦後沖縄に関する論考を発表した。これらの研究の共通点は、「沖縄問題」の歴史的検証を通して「戦後日本」の問題について論及している点にあるものと考える。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の代表者・分担者各人は、「中野好夫文庫」史資料を活用した研究にとり組み、刊行物への掲載や学会報告のかたちで発表することで一定の成果を示すことができた。これに関しては、2024年8月8日、2025年2月27日の2回、本研究構成メンバーで研究会を開催し、「中野文庫」に収蔵されている雑誌『沖縄事情』とその編集者であった牧瀬恒二についての研究発表と意見交換を行った。 また、沖縄関係新聞記事の切抜帳のデータベース作成については、「中野文庫」の「各種新聞切抜」(新聞スクラップブック)資料について、破損している新聞の修繕をしながら、各記事についての情報を、ファイルナンバー/ファイルタイトル/ファイル年月日/頁/題目/記事年月日/西暦/新聞・雑誌名/見出し/記事内容/人物/著者(肩書)/写真キャプション/備考(切抜き業者、破損状況、補修、番号の題目と頁の題目が異なるもの)の14項目に分けてExcelにデータ入力をおこなった。2024年度は、2024年6月から2025年3月の期間、スクラップブック34冊を対象に2350件の記事についてデータ入力が完了した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究においては引続き「中野文庫」史資料の再整理と新聞記事データベースの構築を進める。これと同時に、同史料群を活用し、沖縄資料センターと在本土沖縄人の役割に関する実態究明、「沖縄復帰」運動及び沖縄返還交渉過程における「沖縄報道」の政治史的意義や社会運動史的な考察、沖縄と「本土」の教育行政の関係史的研究等々に取り組んでいく。 以上のような研究を進めていくため、2025年度以降も複数回の研究会を開催し、作業中の新聞記事データベース構築に関する検証や、各自の調査に基づく研究発表などを行なう予定である。
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| Causes of Carryover |
本研究において取り組んでいる「中野好夫文庫」収蔵の沖縄関係新聞記事データベース作成について、データ入力作業を適切に行うことのできる、沖縄戦後史に関する知識をもった大学院生にその役務を担ってもらったが、2024年度は当初想定していた日数分を依頼することができなかった。次年度からは可能な範囲で作業量を増やす見込みである。 またこれに加え、研究代表者・分担者各人の沖縄における関連調査の費用にも充当する予定である。
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