2024 Fiscal Year Research-status Report
肝癌微小環境における癌関連血管内皮細胞の分子生物学的機能解明と革新的治療法開発
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24K11920
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| Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10737133)
池上 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80432938)
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80624973)
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10459620)
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
柳垣 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80979435)
谷合 智彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60961860)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 肝細胞癌 / 血管内皮細胞 / エクソソーム / microRNA / 癌微小環境 / 血管新生阻害薬 |
| Outline of Annual Research Achievements |
進行肝細胞癌における進展転移における癌微小環境の重要な構成要素である腫瘍血管内皮細胞(TEC: Tumor endothelial cell)に注目し、TECが分泌するエクソソームを介した肝癌細胞との細胞間クロストークの分子メカニズムを検証した。 肝細胞癌切除検体の癌部および非癌部組織からMACS(磁気細胞分離)を用いてCD31陽性細胞の磁気分離を行い、腫瘍血管内皮細胞(TEC)および非癌部血管内皮細胞(NEC)を分離し、CD31のWestern blotting、蛍光免疫染色、およびtube formation assayで内皮細胞の証明、形態および機能の評価を行った。TECおよびNECの培養上清より分離したエクソソームにて明らかなCD63およびCD9の発現を認め、また電子顕微鏡に於いても50-100nmの脂質二重膜構造を持つ小胞体を確認し、エクソソームの分離を確実に行え得たことを確認した。TECおよびNECのcondition mediumおよび抽出されたエクソソームをヒト肝癌細胞株(Huh-7、Hep3B)に添加し、MTT assay、migration assay、invasion assayで細胞増殖・遊走・浸潤能の変化を評価した。TECの培養上清あるいは分離したエクソソームを肝癌細胞株に添加を行ったところ、TECから分離したエクソソームの添加が、非癌部肝組織から抽出した非癌部血管内皮細胞(NEC)に比し、明らかに肝癌細胞株の遊走能、浸潤能を高めていることをMigration assay、Invasion assayにて確認できた。一方、肝細胞株の増殖能を促進する効果は現時点の実験系では認められなかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞癌切除検体の癌部および非癌部組織からMACSを用いてCD31陽性細胞の磁気分離を行い、TECおよびNECを分離に成功し、分離された血管内皮細胞はCD31を発現しtube formationすることを確認した。またTEC、NECのMigration assayでTECでの遊走能の亢進を確認した。TEC、NECの培養上清を肝癌細胞株に添加を行ったところ、TECでは増殖能に差は認めなかったが、遊走能、浸潤能は亢進した。TECおよびNECの培養上清より分離したエクソソームにて明らかなCD63およびCD9の発現を認め、また電子顕微鏡に於いても50-100nmの脂質二重膜構造を持つ小胞体を確認し、エクソソームの分離を確実に行え得たことを確認した。培養上清から分離したエクソソームと肝癌細胞株を共培養するとエクソソームが細胞内に取り込まれることを確認した。TEC、NECの培養上清由来のエクソソームを肝癌細胞株に添加を行ったところ、TEC由来のエクソソームでは増殖能に差は認めなかったが、遊走能、浸潤能は亢進した。TEC、NEC由来エクソソーム内のmiRNAの網羅的解析(miRNAマイクロアレイ)を行い、volcano plotにてTEC由来エクソソームではNEC由来エクソソームに比べてmiRNA-142-3p発現が上昇、miRNA-20a-5p発現が低下している候補として検出された。上記より計画通りのプロセスを順調に行うことができている。
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| Strategy for Future Research Activity |
TEC由来のエクソソームでは増殖能に差は認めなかったが、遊走能、浸潤能は亢進した。TEC、NEC由来エクソソーム内のmiRNAの網羅的解析(miRNAマイクロアレイ)を行い、volcano plotにてTEC由来エクソソームではNEC由来エクソソームに比べてmiRNA-142-3p発現が上昇、miRNA-20a-5p発現が低下している候補として検出された。miRNAシークエンスにおいてNECと比較してTEC由来エクソソームで有意に発現量が高かったmicroRNAをヒト肝癌細胞株(Huh-7、Hep3B)にsiRNAで強制発現/ノックダウンし、ターゲットmicroRNA強制発現/ノックダウンの細胞増殖・遊走・浸潤能への影響をMTT assay、migration assay、invasion assayで評価する。ターゲットmicroRNAが作用する癌関連遺伝子をTarget scan、miRDBなどのデータベースで検索し、同定されたmiRNAのmimic/inhibitorでヒト肝癌細胞株(Huh-7、Hep3B)で同定された関連遺伝子のタンパク発現が変化していることをRT-PCRおよびWestern blottingで確認を行う。同様に同定されたmiRNAのmimic/inhibitorによるヒト肝癌細胞株の増殖・遊走・浸潤能への影響を検証する。
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| Causes of Carryover |
理由:当初予定していたmiRNAのsiRNAで強制発現/ノックダウン実験が当該年度では終わらなかったため。 使用計画:当初予定していたsiRNAのsiRNAで強制発現/ノックダウン実験を次年度行う為に必要な試薬を次年度繰越金330,000円で購入する。
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