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2024 Fiscal Year Research-status Report

iPS心筋アクチュエータを動力源とするソフト機械の創製

Research Project

Project/Area Number 24K21581
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

東藤 貢  九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (80274538)

Project Period (FY) 2024-06-28 – 2026-03-31
Keywordsバイオアクチュエータ / 心筋細胞 / 生体材料 / 細胞シート / 生体力学
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,ヒトiPS心筋細胞(hiPS-CM)とポリマーゲルを組み合わせることで,自己収縮能を有する1次元(繊維状)および2次元(シート状)構造の心筋アクチュエータを作製し,さらにそれらを組み合わせることで,より複雑な動作を可能とする3次元アクチュエータ,およびアクチュエータを動力源として組み込んだソフト機械のプロトタイプ開発を行うことである.また,心筋アクチュエータの動力学挙動を記述する理論モデルの構築を行うことで,動的に柔らかく動く機械を製作するための基礎理論と技術を体系化することを目的とする.一方,発電生物の発電メカニズムを人工的に摸擬したポリマーゲル製の人工発電細胞を創製し,心筋動力機構の制御系としてソフト機械に組み込むことを検討する.
(1)題となっていた2次元心筋シートの形状不安定性を解決するために,iPS-CMと間葉系幹細胞(hMSC)の共培養による自己拍動する細胞シートの作製法の基礎を確立した.た,胞の混合比が拍動に及ぼす影響について検討した結果,6:4の比率が形態安定性と拍動特性の両面を考慮した結果,最適であることが明らかになった.さらに,電気刺激を用いるとで細胞シートの拍動を制御できることを確認した.6:4の混合比では,電気刺激の周波数が0.2-0.5Hzで安定した拍動が観察された.さらに,電気刺激の電流が25mA以上の場合に安定した拍動を示すことが明らかになった.
(2)東芝から提供を受けたコラーゲンシートと心筋細胞の複合化を検討した結果,拍動挙動は確認したもののコラーゲンシートの形態安定性が必要であることが判明し,架橋処理を施したコラーゲンシートを準備することになった.
(3)ポリマー中にイオンを分散させて積層させた人工発電細胞の実験モデルを作製し,発電機能を有することを確認した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の研究はおおむね順調に進展していると言える。その主な理由は、これまでの過去の研究において、iPS細胞由来心筋細胞を用いて作製した細胞シートの形態が安定しないという最大の問題を解決することができたからである。iPS心筋細胞と間葉系幹細胞を共培養し細胞シートを作製することで、形態安定性を付与することに成功した。さらに、電気刺激を利用することで、拍動挙動を制御することが可能であることが明らかになった。また、コラーゲンシートと複合化することで、細胞シート工学とは別の方法で心筋シートを作製できる可能性があることが示唆された。また、人工発電細胞の基本構造が発電に対して有効であることが確認できた。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の今後の推進方策は、以下の通りである。
(1)iPS細胞由来心筋細胞と間葉系幹細胞の共培養系が細胞シートの作製に有効であることが示されたが、hMSCが加わることで拍動挙動が弱くなる傾向にあり、強い拍動を実現する共培養系について検討する。また、心筋シートの強靭化を目指して、コラーゲンシートと細胞シートの積層構造の作製方法を検討する。
(2)紫外線硬化型ならびにポリマーゲル射出型の3Dプリンターを利用して、1次元や2次元構造の足場材料を作製し、細胞シートとの複合化を検討するとともに、2次元構造体の作製方法についても検討を進めていく。
(3)バイオアクチュエータとしての2Dや3D心筋構造体と人工発電細胞を組み合わせた実験系を確立し、ソフト機械用動力源としての基礎研究を進めていく。

Causes of Carryover

最終年度の実験計画を検討したところ、より多くのiPS細胞由来心筋細胞が必要になると試算されたため、初年度の予算の一部を最終年度にまわすことにした。

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Published: 2025-12-26  

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