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2024 Fiscal Year Research-status Report

学習水中音響学の基盤確立と水中材質認識への展開

Research Project

Project/Area Number 24K22307
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

内山 英昭  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90735804)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小木曽 里樹  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10821738)
Project Period (FY) 2024-06-28 – 2026-03-31
Keywords超音波 / 水中 / 材質認識
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,水中環境における超音波を用いた非接触型の材質識別手法の実現に向け,反射音の特性に基づく識別のための計測機材の設計と基礎データの収集を行った.超音波トランスデューサーを用いて材質に超音波を照射し,反射音を複数の水中マイクで収録することで,材質ごとの反射特性および設置条件の変化に伴う応答の違いを分析可能とする計測系を構築した.1つ目の実験では,複数のマイクを用いた反射音の空間的差異から材質の向きを識別できるかを検証した.音の伝搬モデルを用いて,水槽内の制約を考慮しつつマイク間距離と材質からマイクまでの距離を最適化した.材質には音響インピーダンスの異なる9種類を用い,真鍮,鉄,ステンレス,アルミニウム,ガラス,空気,ゴム,ポリエチレンテレフタレート,およびポリエチレンを対象とした.超音波の周波数は40 kHzから80 kHzまでを10 kHz刻みで独立に設定し,照射角度は0度から2度刻みで10度までの6段階とした.2つ目の実験では,ゴム,アルミニウム,ポリエチレンを対象に,厚さ3 mm,5 mm,10 mm,距離は0.6 mから0.8 mの範囲で設定し,各組合せに対して照射角度0度,4度,8度で反射音を取得した.距離の選定は計測機器の仕様に基づいて決定した.さらに,治具による不要反射の影響や,トランスデューサーの周波数特性と指向性,ファンクションジェネレーターやアンプの出力特性も解析し,計測条件と信号処理の妥当性を検証した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では,水中における超音波を利用した非接触型の材質識別手法の確立を目指し,反射音の特性に基づく識別技術の構築に必要な計測機材の設計および基礎データの収集を段階的に進めている.現在までの進捗は,当初計画に対しておおむね順調であり,2026年度の海洋環境における現地計測も視野に入れて設計を進めている.
本年度は,対象材質の物性および配置条件の違いが反射波形に与える影響を把握することを目的として,材質の種類,設置角度,厚さ,および距離といった複数の要因を制御した実験を実施した.また,使用する機材の仕様や計測環境の制約を踏まえ,反射信号の収集精度を高めるための工夫を随所に施している.
さらに,非破壊検査の研究に従事した専門家に新たに加わってもらい,波動の散乱や減衰に関する知見,および材料評価における信号処理の技術を取り入れたことで,実験設計および解析方針に関して多角的な視点からの検討が可能となった.水中に特有の干渉・反射の影響を抑制するための装置配置や測定手順の最適化が進み,データの信頼性向上につながっている.
得られたデータは,反射音の構造や時間波形の特徴を中心に分析を進めており,材質ごとに生じる微細な違いを抽出するための前処理や特徴量設計も並行して検討している.材質選定にあたっては,音響インピーダンスに大きな違いを持つ材料を中心に配置し,識別の境界条件を見極める観点から,多様な組合せを実施した.
また,各種電子機器の動作特性も別途検証し,トランスデューサーの指向性やファンクションジェネレーターの出力波形,アンプの周波数応答といった要素が信号に与える影響を事前に評価した.これにより,信号歪みや伝送損失を抑えつつ安定した波形取得が可能となっている.

Strategy for Future Research Activity

物理的な超音波伝搬モデルとの整合性を検証する.超音波の反射,屈折,回折,減衰といった複数の物理的要素を組み込んだモデルが必要であり,これを実測データと照合することで,モデルの妥当性と限界を明らかにする.音響インピーダンス差や波長と対象構造の関係性を含めた解析を通じて,識別の根拠となる物理的特徴を明確化する.
また,機械学習に基づく材質識別を確立する.反射音波形から有効な特徴を抽出し,材質や設置条件の違いに応じた識別を可能にするモデルを設計する.識別対象は,材質の違いのみならず,角度,厚さ,距離など幾何的条件の変化にも対応できることが必要であり,そのためには頑健な前処理手法と特徴量選定を行う.ニューラルネットワークを物理モデルと組み合わせ,従来の手法では困難であった波形の変化を直接学習可能な構造とする.
認識モデルの訓練には,これまでに取得された複数条件下の水中反射音データを用いる.データセットには,材質の種類に加えて,設置角度や距離,厚さの変化を系統的に含めており,汎用的なモデルの学習に資する内容となっている.
さらに,構築したモデルの汎化性能を評価するため,海洋環境でデータを取得する.波動の乱れや外乱反射を含む現場環境においても,識別精度が保たれるかどうかを検証し,必要に応じてモデル構造や学習条件の修正を加える.物理モデルとの照合と,機械学習による分類の整合性を両立させることで,信頼性と説明可能性を備えた識別手法を確立する.

Causes of Carryover

本年度中に追加の反射音データを取得するための計測を予定していたが,施設の利用の関係で計測を行うことができなかった.研究計画そのものに遅延は生じておらず,次年度において同様の機材・体制で継続実施可能であるため,未使用分の経費については計測実施のための使用する.

URL: 

Published: 2025-12-26  

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