2015 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における都市史学の確立と展開にむけての基盤的研究
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25220909
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 毅 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20168355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樺山 紘一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (30027544)
吉田 伸之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (40092374)
陣内 秀信 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40134481)
高橋 康夫 花園大学, 文学部, 教授 (60026284)
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Project Period (FY) |
2013-05-31 – 2018-03-31
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Keywords | 都市史学 / テリトリオ(領域史) / 南フランス / ナルボンヌ / カペスタン / クリュジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフランスにおける都市史研究者との学的交流および現地調査にもとづくテリトリオおよびインフラ研究、都市文化、都市社会史の研究深化を目的とするものである。具体的には2017年3月6日より16日の10日間、研究代表者伊藤毅ほか10名によって、現地研究者ジャン・ルー・アベ教授(トゥールーズ大学フランス中世史)、モニク・ブーラン教授(パリ第一大学中世史)、ジルベール・ラルギエ教授(ペルピニアン大学)の3名との学術交流を行った。また現地滞在中、継続して実施している南フランスの都市・集落のフィールド調査を行った。具体的には南フランスのナルボンヌ、カペスタン、クリュジーの都市・建築調査を実施するとともに、中近世の史料をカルカッソンヌに所在する公文書館、ナルボンヌ文書館にて収集した。今回の渡仏によって本研究課題全体にかかわる重要な論点が多数獲得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は平成27年度中に実施するはずであったフランス都市史研究者との学的交流および現地調査がテロによるフランスの非常事態宣言による実現できなかったプロジェクトを翌年度に繰り越して行ったものである。このプロジェクトが実施できることになり、その成果は2018年3月に刊行される『南フランスの建築と都市(仮)』に反映する予定である。現地訪問が1年遅れたため、そのキャッチアップのため、頻繁に研究会を開催し、成果のアウトプットに全力を注いでいる。したがって進捗状況において大きな問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の現地都市史研究者との学術交流はきわめて有意義なもので、斯界第一人者との都市史学に関する深い議論は、今後全体の成果をまとめるうえできわめて貴重な内容であった。しかも成果として予定している『南フランスの建築と都市(仮)』に3研究者の寄稿依頼が受諾されたことは、わが国の都市史学上画期的な意義をもつ。調査グループによる現地調査成果も充実した内容であり、これらを毎月の研究会で総合しつつ最終的な成果物へとまとめあげる見通しが得られた。すべて順調に推移していると考えている。
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Research Products
(20 results)