2015 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙システムの高電圧化に向けた超小型衛星による帯電・放電現象の軌道上観測
Project/Area Number |
25220915
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
趙 孟佑 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60243333)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和弘 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10361411)
増井 博一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (30437793)
奥山 圭一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (30442461)
岩田 稔 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80396762)
|
Project Period (FY) |
2013-05-31 – 2018-03-31
|
Keywords | 航空宇宙環境 / 衛星帯電 / 小型衛星 |
Outline of Annual Research Achievements |
鳳龍弐号をベースにして鳳龍四号の開発を継続した。 平成27年度の主な目標は、衛星フライトモデル(FM)のJAXAへの引き渡しであった。平成27年7月にFMの開発に移行し、平成28年1月にFMを無事JAXAに納入した。同時平行で、地上局の運用練習を繰り返した。衛星は平成28年2月17日に種子島宇宙センターからASTRO-H相乗り衛星として、高度575km、軌道傾斜角31度の円軌道に打上げられた。打ち上げ直後の可視機会に、九工大地上局で衛星からの電波を受信し、衛星の生存を確認した。 打ち上げ後1週間に亘って衛星の基本機能の確認を行った後、メインミッションである放電実験を行い、放電発光と放電波形の同時計測に成功した。未だかつて、誰も宇宙空間での放電をカメラでとらえたことはなく、放電電流波形の計測に成功したこともない。これは世界初の画期的な成果である。放電発生箇所は地上実験と同様で、放電電流波形も地上実験から予測されるものと大きな違いはない。このことから、これまでの地上試験は正しかったと言える。平成28年4月早々に速報を学術雑誌に投稿すると共に、プレス発表を行った。衛星の状態は現在も良好である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星が平成28年2月17日に無事に打上がり、現在のところ衛星の基幹機器並びにメインミッション機器は正常に動作している。既に鳳龍四号のミニマムサクセスクライテリアである、放電発光画像と放電電流波形の取得に成功している。
|
Strategy for Future Research Activity |
放電検出・撮影、太陽電池劣化検証、放電抑制太陽電池実証、光電子電流計測等の各種実験に加え、姿勢系・電源系・通信系といった衛星バス機器の軌道上データの解析も行う。並行して、地上検証実験も行う。これらの結果をまとめて、論文作成と学会発表を行っていく。また、地球撮影画像や音楽配信を通じて、アウトリーチ活動を行う。 次世代機の構想立案にとりかかり、実験が順調に推移した際には、平成29年度からの科研費特別推又は基盤研究Sに応募する。
|
Research Products
(18 results)