2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25221106
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (60321600)
|
Project Period (FY) |
2013-05-31 – 2018-03-31
|
Keywords | セントロメア / 染色体分配 / 細胞分裂 / エピジェネティックス / タンパク質複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、代表者らが、これまで推進してきたセントロメアに関する研究をベースとして、セントロメアの分子基盤の解明を目的としている。26年度の研究実績の概要を述べる。 1)染色体工学を活用したセントロメアの形成機構の解明: 25年度までの研究で、培養細胞中で新規セントロメア (ネオセントロメア) を作出する実験系を確立した。26年度は、この実験系を活用してセントロメアに特異的なエピジェネティックマーカーの探索を試みた。その結果、セントロメアのヌクレオソーム中のヒストンH4の20番目のリジンがモノメチル化(H4K20me1化)されることを見いだした (Hori et al., Dev Cell, 2014)。またこのH4K20me1化が動原体形成にも必須であることも示した。また、LacO-LacIの系でセントロメアが誘導できることも明らかにした (Fukagawa et al., Dev Cell, 2014)。 2)セントロメア構成タンパク質の試験管内再構成: セントロメアの再構成を究極の目標として、幾つかのセントロメア構成タンパク質とDNAの再構成を試みた。特に、CENPTWSX複合体に注目して、CENP-TWSX複合体とCENP-Aヌクレオソームの高次複合体の再構成に成功した (Takeuchi et al., NAR, 2014)。 3)セントロメアタンパク質複合体の原子レベルでの基盤構造の解明: 25年度には、CENP-TとNdc80複合体のX線結晶構造解析に成功した。本年度は、CENP-T-W-S-X複合体とDNAの結晶化を試みたが、構造解明までには至っていない。今後、電子顕微鏡を用いた解析にも挑戦する。また、CENP-H複合体のCENP-L/NとCENP-Cの結合状態についてNMR解析を行い、CENP-Cの結合部位が同定できた。この結合の意義を今後解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
セントロメアに特異的なエピジェネティックマーカーの同定は、大変挑戦的な計画であり、5年をかけて同定が可能となるような計画をたてていた。しかし、予想以上に早くH4K20me1化の同定に成功し、これが動原体形成に重要であることを示すことができた。本成果は、Dev. Cell誌の表紙を飾り、Nature Rev. Mol. Cell誌にも研究内容が紹介され、内外から高い評価を得ている。今後、さらなるマーカー探索の目処もたっており、当初の計画以上に進展していると自己評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究は、順調に推進できているので、引き続き研究計画に沿って研究を推進する。構造解析については、タンパク質の結晶化が進まない場合は、電子顕微鏡や、NMRなど多角的な方法にも取り組む。タンパク質再構成の評価として、1分子顕微鏡観察の導入も検討する。
|
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Reorganization of damaged chromatin by the exchange of histone variant H2A.Z-2.2014
Author(s)
Nishibuchi I, Suzuki H, Kinomura A, Sun J, Liu NA, Horikoshi Y, Shima H, Kusakabe M, Harata M, Fukagawa T, Ikura T, Ishida T, Nagata Y, Tashiro S.
-
Journal Title
Int J Radiat Oncol Biol Phys
Volume: 89
Pages: 736-744
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] Histone H4 Lys 20 monomethylation of the CENP-A nucleosome is essential for kinetochore assembly.2014
Author(s)
Hori T, Shang WH, Toyoda A, Misu S, Monma N, Ikeo K, Molina O, Vargiu G, Fujiyama A, Kimura H, Earnshaw WC, Fukagawa T.
-
Journal Title
Dev Cell
Volume: 29
Pages: 740-749
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-
[Journal Article] Meiosis-specific cohesin mediates homolog recognition in mouse spermatocytes.2014
Author(s)
Ishiguro K, Kim J, Shibuya H, Hernández-Hernández A, Suzuki A, Fukagawa T, Shioi G, Kiyonari H, Li XC, Schimenti J, Höög C, Watanabe Y.
-
Journal Title
Genes Dev
Volume: 28
Pages: 594-607
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-