2015 Fiscal Year Annual Research Report
ガロア体算術演算に基づくVLSIデータパスの形式的設計技術の開拓
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25240006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 尚文 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00343062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 孝文 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80241529)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計算機システム / システムオンチップ / ハードウェアセキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,研究実施計画に基づいて,前年度までに開発・拡張したガロア体上の算術演算回路の設計・検証手法を応用し,暗号プロセッサデータパスの形式的設計に取り組んだ.設計対象としては,現在世界で最も広く利用されているISO/IEC国際標準ブロック暗号であるAESを選定した.AESはその暗号化・復号処理全体がガロア体上の演算として代数的に記述されるため,GF-ACGによりデータパス全体を記述可能である.また,現在のブロック暗号はAESと同様に処理全体が代数的に表現されることが多いため,AESに適用することにより他の暗号への応用も期待できる.ここでは,まず,高速性や低消費電力性に優れたデータパスをGF-ACGを用いて形式的に設計し,その主要な構成要素の検証時間を評価した.次に,上記で設計した暗号プロセッサをASICセミカスタム設計を行って,性能評価を実施した.特に,回路面積や消費電力,演算速度を従来設計の回路と比較し,同等の性能を有する回路を設計可能であることを確認した.さらに,設計した回路のサイドチャネル攻撃に対する耐性を検討した.本実験では,本研究代表者らが開発したサイドチャネル攻撃標準評価ボードSASEBO-R/-Wに暗号コアを搭載し,マイクロ磁界プローブ等を用いて消費電力・放射電磁波を測定した.測定した波形の評価には,現在最も強力な攻撃の一つである選択平文型の電力・電磁波解析を用いた.また,Xilinx FPGAのディジタルクロック制御機能を利用して意図的に発生させたグリッチを用いた故障利用攻撃実験も実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定している成果が得られており,今後の計画に対する道筋も見えている.研究を進めるにつれて新たな課題も出現しているが,実験方法等の変更で対応可能であり,研究計画を変更するほどではない.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では研究を遂行する上での問題点はないため,今後も研究計画にしたがって推進していく.
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