2014 Fiscal Year Annual Research Report
組込みシステム向けデータ集約型パラダイムの実現と車両走行制御への適用
Project/Area Number |
25240007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高田 広章 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (60216661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健哉 同志社大学, 理工学部, 教授 (20388044)
中本 幸一 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (70382273)
本田 晋也 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20402406)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 組込みシステム / 高度道路交通システム(ITS) / データ集約型パラダイム |
Outline of Annual Research Achievements |
膨大なデータ(ビッグデータ)を取得し,その中に存在する現象や法則を導き出す「データ集約型科学」のパラダイムが注目されている.本研究では,組込みシステムにこのパラダイムを適用するための新たなソフトウェア構築フレームワークを,組込みシステムにおいて重要となるデータに重点を置いて研究開発することが目的である. 1.アーキテクチャ:ストリームデータのやり取りで,組込みシステムとクラウドとの連携を行うための分散処理アーキテクチャの検討を実施した.センサ情報はストリームデータとして扱えるが,静的な地図情報は一般的に蓄積型データとして扱うため,地図情報をストリームデータとして扱う方式を開発した.また,ストリームデータは逐次処理されるため状態を管理することが困難であるが,新しくストリームデータにおいて状態を扱えるようにする手法も開発した. 2.プラットフォーム:組込みシステム向けデータストリーム管理システム(eDSMS)と,クラウド向けデータストリーム管理システム(CDSMS)をそれぞれ開発し,車両情報の交換による安全運転支援に加えて,路側から送信される信号状態に基づく情報提供も追加して評価を行った. 3.ネットワーク:組込みシステムとクラウドとを接続するためのネットワークに関して,車載を前提としたモバイルネットワークの効率性,および,秘匿性・正真性の観点から組込みシステムにおけるセキュリティの基本的評価を行った. 4.組込みシステム(スマートフォン):eDSMSのデータを用いたサービスを運転者や車内の利用者に提供するために,Android 端末で扱うためのデータストリーム処理システムを開発した.特徴として,eDSMS とのデータストリームのやりとりを柔軟に行う構造にしたこと,複数のAndroid アプリケーションで利用できるようService として実現したことがあげられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサ情報などのストリームデータと地図などの蓄積型データをストリーム化して融合する技術を確立することができ,これを組込みシステムおよびクラウドにおいて実現するためのプラットフォーム開発を着実に実施してきた.また,ストリームデータを状態管理する手法も新しく考案し,実装および評価を通して有効性を確認できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに検討してきた組込みシステム向けデータ集約パラダイムのアプリケーションとしてダイナミックマップを対象に,クラウドとの連携を含めた分散環境で検討を実施する.また,コンセプト検証のためのプラットフォームの実装,ソースコード自動生成ツールの開発,プラットフォームを利用した実アプリケーションによる評価,および,複数の自動運転車両と路側センサを利用した実証実験を実施し,研究をまとめる.
|