2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25240011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪大学, 生命機能研究科, 招聘准教授 (70571173)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子通信 / バイオICT / 情報ネットワーク / 情報通信工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、情報通信・バイオ・ナノテクの3分野を融合する分子通信という新しい情報通信技術を確立すること、更に、その確立した技術を工学的応用に結びつけることを目標として、1。分子通信アーキテクチャの全体設計、2。各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験、及び、3。国際標準化活動に取組む。初年度(平成25年度)には、このうち1。分子通信アーキテクチャの全体設計、および、2。各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験の一部に取り組んだ。2年目となる平成26年度には、2。の内容を継続し、アプリケーションの設計、および、外部インタフェースの開発を行った。
アプリケーションの設計では、遺伝子改変細胞などを移動型センサやアクチュエータとして利用して、生体内環境の維持や管理を行う生体内モバイルセンサネットワークを考えた。生体内において移動型センサが協調的に分散して標的位置を特定したり、移動する標的を協調して追従することを考え、生体内モバイルセンサネットワークの数理モデル化や計算機シミュレーションによる性能分析を行った。この研究成果は、国際ジャーナル(IEEE TNB、 Nano Communication Networks)や国際会議(ICC2014、 APMC2014)において発表した。
外部インタフェースの開発においては、生体内に配置するバイオナノセンサと外部機器を相互接続するインタフェースについて検討した。バイオナノセンサが外部機器へ信号を送るためのインタフェースと、外部機器がバイオセンサに信号を送るためのインタフェースの両方について、実装可能な方式を検討した。その実現可能性を実証実験により示した。また、外部インタフェースを利用した分子通信システムの応用も検討した。この研究成果は、国際ジャーナル(IEEE JSAC)や国際会議(ACM NANOCOM2014)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進行している。また、得られた成果については国際的に権威のある論文誌や国際会議で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も当初設定した研究課題のうちの2.各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験を進めていく。
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