2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25240011
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪大学, 生命機能研究科, 招聘准教授 (70571173)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 分子通信 / バイオICT / 情報ネットワーク / 情報通信工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、情報通信・バイオ・ナノテクの3分野を融合する分子通信という新しい情報通信技術を確立すること、更に、その確立した技術を工学的応用に結びつけることを目標として、1.分子通信アーキテクチャの全体設計、2.各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験、及び、3.国際標準化活動に取組む。初年度(平成25年度)には、このうち1.分子通信アーキテクチャの全体設計、および、2.各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験の一部に取り組んだ。2年目となる平成26年度には、2.の内容を継続し、アプリケーションの設計、および、外部インタフェースの開発などを行った。3年目となる平成27年度においても、2.の内容を継続した。主な研究成果としては、接着型分子を利用した分子通信方式の設計や分子パケットの分割・再構築方式の設計が挙げられる。
接着型分子を利用した分子通信方式の設計においては、血流のような流れがある環境に生体内モバイルセンサネットワークを適用することを考えた。このような環境においては、拡散型分子通信方式が適用できない場合があり、接着型分子の利用が有効であることを示した。この研究成果は、国際会議(IEEE ICC 2015, IEEE SPAWC2016)において発表した。
分子パケットの分割・再構築方式の設計では、インターネットにおけるIPパケットの断片化(IPフラグメンテーション)を模して、分子パケットを分割・再構築する方法を提案した。通信経路の特性に応じて、送信機が分子パケットを最適な大きさに分割し、受信機が再構築することにより、通信性能を向上できることを示した。この研究成果は、国際ジャーナル(IEEE TNB)や国際会議(IEEE Globecom 2015)において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進行している。また、得られた成果について、国際的に権威のある国際論文誌や国際会議で発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も当初設定した研究課題のうちの2.各種通信プロトコルの定量的評価と実証実験を進めていく。
|