2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数主体のバイオメトリクスデータベース管理と評価技術の研究
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25240017
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
寳木 和夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 副研究部門長 (60417037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 幹太 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00292756)
大塚 玲 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (50415650)
瀬戸 洋一 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (50417036)
慎 祥揆 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (60615540)
西内 信之 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70301588)
山口 利恵(繁富利恵) 東京大学, 情報理工学系研究科, 准教授 (90443192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 暗号・認証等 / セキュア・ネットワーク / アルゴリズム / 情報システム / ディペンダブル・コンピューティング / ユーザビリティ / プライバシー / セキュリティ・エコノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度まで参画頂いた今井秀樹東京大学名誉教授に松浦幹太東京大学教授の協力者としてセキュリティバランスの検討等に参加して頂いた。次の2項目を実施した。 [Ground Truth評価技術の基礎理論構築] 評価技術構築に必要な用語、概念、認証モデル等の定義を見直した。具体的には、OCT(Optical Coherence Tomography)装置で取得したGround TruthデータのノイズモデルをSFinGe等との比較から検討し、真の認証性能を人工物によって測定した認証性能で推定できることを理論および実験で示した。Wolf概念の音声、指紋、静脈等のモダリティへの適用可能性を調べ最強力判定として知られている尤度比判定に対してUBM(Universal Background Model)の不完全なモデル化がWolfを存在させることを理論で示し、ある話者識別アルゴリズムに対して強力なWolfが存在することを実証した。 [複数組織連携データ管理技術の研究開発に向けた基礎技術の開発] 複数のデータソースから得られた情報を総合的に判断して個人を識別する技術を開発した。バイオメトリクス情報を扱う場合を含むプライバシー概念について様々なインセンティブを実証分析するための理論モデルをセキュリティエコノミクスのアプローチで構築した。そして、同モデルを多くの会員制度に登録したIDが連携するシステムの実データに適用し有効性の検証に成功した。さらに、投資効果と併せて高水準な認証を特徴とする、前進安全性を持つプライバシー保護型の生体認証プロトコルを開発した。バイオメトリクスのユーザビリティについて行動的特徴による生体認証における連続する認証エラーの観点から評価を行った。改正個人情報保護法の解釈を含め諸外国の法律などを調査し、バイオメトリクスに対するプライバシー課題と対策を調査分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオメトリクスは、入国管理、銀行ATM、ビル入退出管理などで使われ、市場規模、成長率ともに大きい(世界約7000億円/年、20%)。これまで、バイオメトリクスは、組織単体での採用がほとんどであった。今後、組織間連携など利用が広がるにつれ、登録データと採取データをある組織単体の現場で照合するのでなく、複数の組織での連携した認証が増えることが予想される。しかし、従来のデータベース管理技術のそのままの適用では、プライバシ保護や生体情報取得時の精度のばらつき等バイオメトリクス特有の問題がある。バイオメトリクスが安心して使えるコモディティとなる前に、この問題を解決するため、本研究では、そのためのキー技術として、信頼できるバイオメトリクス性能評価技術および関連するデータベース構築手法、様々なインセンティブの実証分析手法の研究を行う。これに向け、設定した課題は着実に解決されている。
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Strategy for Future Research Activity |
・Ground Truth データの品質評価、装置性能評価の各種モダリティへの応用 前年度提案した Ground Truth 品質評価や読取装置性能評価、生体サンプルのノイズ評価の基礎理論を、主要なモダリティ(指紋、静脈等)に対して応用し、それぞれのモダリティ、ノイズモデル、読取装置の特性を考慮した評価手法として提案する。構築したノイズモデルやセキュリティ限界の理論を応用して、高い利便性(認証速度)と認証精度を保持し、意図的な成りすましに対しても安全な認証方式を昨年度中に収集したテスト用の高精細生体データを用いて開発する。 ・複数組織連携データベースにおけるプライバシ保護データ管理技術の研究開発を行う。信頼のできる認証方式や端末を活用する Trust の概念を導入した課題の解決法を提案し、前年度に開発した基本的なデータベースモデルに対する管理技術を応用して、高信頼性を有する複数組織連携のバイオメトリクス ID 連携技術の研究開発を行う。 ・生体情報特有のユーザ感覚に対する解決法の提案 生体情報には、プライバシ情報の収集に関して嫌悪感があり、その嫌悪感の払拭には、インセンティブを与える方法が考えられる。インセンティブの定量化とプライバシの関係について、生体情報に限らずより一般にユーザ登録時の要求情報がシステムに与える影響をセキュリティエコノミクスの実証分析で明らかにする。さらに、その実証分析用に応用範囲の広い分析手法を開発する。また、個人情報保護法の改正が行われ、バイオメトリクスも保護対象として明文化される方向にある。監視カメラや、追跡利用における2次利用時の法的、技術的、社会的な問題を明確にする。バイオメトリクスのユーザビリティについては、連続する認証エラーとユーザの満足度の関係を明らかにする。FTA分析を利用しバイオメトリック保護技術の定量的な分析手法の開発を行う。
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[Journal Article] 個人情報影響評価の電子カルテシステムへの適用2014
Author(s)
Sanggyu Shin, Yoichi Seto, Sadamu Takasaka, Eiichi Sekizuka
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Journal Title
Korea Information Processing Society Review
Volume: Vol. 21, No. 5
Pages: 64-72
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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