2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25240032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠田 裕之 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40226147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 泰才 東京大学, 新領域創成科学研究科, 講師 (00518714)
星 貴之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80537704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルチモーダルインターフ ェース / ハプティクス / 触覚 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度までの研究で、当初の計画どおり1000台規模の結合が可能な超音波フェーズドアレイユニットの設計・実証に成功し、3×3ユニットの超音波フェーズドアレイを結合した大規模アレイを実現した。また、皮膚表面の硬さを計測することにより、遠隔から筋肉緊張度を計測する遠隔ハプティックセンシングの要素技術を実現し、空中触覚タッチパネル、遠隔硬さ計測システムなどのデモ展示を通して国内外で高い評価を得た。また、空間に3次元音響エネルギ分布を再現し、ユーザーが空中の3次元物体を自由に触って体感することができるシステム(HORN) の開発にも成功した。これまでの研究で、スーパーハプティクスの可能性を十分示すことができたものと考えている。 1. 非拘束触覚提示によるテレイグジスタンス --- 当初の目標どおり、センサ皮膚と対象物体が接触しているときにセンサ皮膚が受ける力を計測し、それを忠実に再現することで触感を伝送するシステム、空中に浮遊する映像に、複数の人間が自由に触ることができるシステムを実現することができた。なおこれらのインタラクションによるコミュニケーションについては次年度以降に取り組む予定である。 2. 非拘束触覚VR --- 当初の目標どおり、空中映像と触覚提示のクオリティを改善し、空中で触覚を感じながらタッチパネルを操作できる空中触覚タッチパネルを実現した。 3. 瞬時的運動誘導 --- 空中ボタン操作の際に、接触瞬間だけでなくアイコンドラッグ時に継続的な振動刺激を与えることによって空中に仮想面を再現し、快適なボタン操作を可能にするシステムを実現した。 4. 他人の目の前でもパスワードを伝達できるパーソナル情報伝達 --- 人間の皮膚表面に映像と触覚刺激を同時提示することによって他人の目の前でもパスワードなどの秘匿情報を伝達できるシステムを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の想定以上にクオリティの高い空中触覚提示が可能になり、国内学会の論文賞、インターフェース分野のトップコンファレンスでの最優秀展示賞、BCIアワードの最優秀賞、経済産業省 Innovative Technologies 2014 における2つの特別賞をはじめとした多数の賞を受賞した。これらの触覚体験のインパクトは、申請者自身の予想をも上回るものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後この技術をさらに飛躍させるために、当初の計画に加え、デバイスを薄型・軽量かつ安価に製造できる形態にすること、これまでに実現されている 40kHz 以外の周波数でも駆動でき、より高い周波数の超音波を発生できるデバイス開発を行う。すなわち本年度は新たなテーマとして、超音波発生機構まで立ち戻った超音波フェーズドアレイの開発に着手する。またこれと並行して当初から計画していた触覚インタラクションシステムの提案・開発も進める。具体的な計画は以下の通りである。 1.軽量・薄型・高効率・広帯域振動子アレイの開発 空中に十分な放射圧を高効率に発生でき、軽量・薄型で安価に製造できる空中超音波振動子アレイはこれまで開発されていない。空気と固体とでは固有音響インピーダンスが著しく異なり、技術的困難が大きいこと、このようなデバイスに対する明確なニーズが認識されておらず、空中超音波デバイスの研究開発は衰退傾向にあることがその原因と考えられるが、申請者の20年以上におよぶ超音波研究で得られた知見と、近年急速に発達したシミュレーション技術とに基づき、音圧、効率ともに従来の圧電型デバイスを大きく上回り、軽量、薄型、低コスト、かつ広帯域の振動子アレイは十分開発可能であると見込んでいる。そこで27年度は新たにこのテーマに取り組む。 2.触覚インタラクションによる、行動支援およびコミュニケーション支援の研究 平成26年度までに開発されているデバイスを用い、新たにリアルタイムでの行動支援、およびコミュニケーション支援の実証システム開発に取り組む。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] HORN: The Hapt-Optic Reconstruction2014
Author(s)
Seki Inoue, Koseki J. Kobayashi-Kirschvink, Yasuaki Monnai, Keisuke Hasegawa, Yasutoshi Makino, and Hiroyuki Shinoda
Organizer
41st International Conference and Exhibition on Computer Graphics and Interactive Techniques (SIGGRAPH 2014) Emergency Technologies
Place of Presentation
Vancouver, Canada
Year and Date
2014-08-10 – 2014-08-14
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