2014 Fiscal Year Annual Research Report
経験・信頼に基づく知識活用型サービスバリューチェーンの実証研究
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25240050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原 良憲 京都大学, 経営学研究科, 教授 (20437297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克己 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00127375)
戸谷 圭子 明治大学, グローバル・ビジネス研究科, 教授 (20350308)
竹村 幸祐 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20595805)
鈴木 智子 京都大学, 経営学研究科, 講師 (20621759)
前川 佳一 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (30511290)
山内 裕 京都大学, 経営学研究科, 講師 (50596252)
神田 陽治 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80417261)
山川 義徳 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所(マネジメントイノベーションセンター), その他部局等, 研究員 (80447945)
杉山 歩 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (20586606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サービスマネジメント / サービス・バリューチェーン / サービス情報学 / 経験価値 / 信頼価値 / 高コンテクスト / 脳科学評価 / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、リアルビジネスを通じて経験する人の振る舞いや、コミュニティの交流関係性のデータに着目し、経験・信頼価値への影響要因を分析した。具体的には、江戸前鮨や料亭での接客場面や、情報サービスとしてのレシピ検索やTwitter活用場面などを対象に、経験・信頼価値の動的側面に着目した情報・サービスの高品質化方法論の構築を進めた。経験・信頼価値の創出においては、単なる知識の習得・分析だけでなく、知識と経験に基づく身体的な行為やブランドとの関連づけが重要である。特に、暗黙知の活用を前提としたサービスに対しては、サービス提供者・被提供者間の緊張感ある価値共創などが経験・信頼価値の創出において有用であることが示された。今まで属人的に扱われてきた経験・信頼価値の創出に対しても、種々の行為の整理を行い、効果的な教育・活用を目指した「切磋琢磨の価値共創」モデルを提案した。さらに、「切磋琢磨の価値共創」モデルを、サービスビジネスのグローバル展開事例に適用し、文化差の観点から、経験・信頼価値との関係についても解釈・整理を行った。 また、経験・信頼価値の創出プロセスと脳科学的評価との対応付けに関する基礎的研究も進め、脳情報も特徴量の1つと位置づけたサービス経験・信頼価値分析を行った。具体的には、MRIによる脳計測を通じた実験を行い、サービス物理空間に対する満足度や信頼に関連する脳領域についての調査・分析を進めた。また、いけばな鑑賞を対象に、経験者と初心者との行動特性を比較評価する実験も行った。このような研究活動をもとに、今後の脳ビッグデータを含めたデータマイニングによる経験・信頼価値の評価、並びにそのフレームワーク化を目指す。本研究内容の重要性は、内閣府ImPACTの研究課題としても認識され、本プロジェクト分担研究者の山川義徳氏がプログラムマネージャに就任し、活動を推進することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の研究活動は、研究分担者の異動等により、7拠点の大学・企業研究機関関係者(京大、北陸科学技術大学院大学、明治大、滋賀大、山梨英和大、首都大東京、NTTデータ経営研究所)で行っているが、定例会議、研究会、遠隔会議システム等により、目的意識、課題認識を共有して、研究活動を遂行している。このように、コミュニケーションを密にとって活動を進めており、おおむね順調に進展しているといえる。 2年目としての本年度は、初年度で先行して議論したITサービス系の活動をもとに、対人サービス系の活動へと発展・拡張させ、経験・信頼価値という抽象的な概念の共通認識を図った。また、脳情報も特徴量の1つとして、経験・信頼価値の分析を進める基礎的研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、経験・信頼価値に着目し、コモディティ化(複製容易化)を回避し、持続性と発展性とのバランスのとれた事業開発に寄与することを目的とする。このため、下記の3つの項目に関する活動を遂行する。 (1)コモディティ化への対応を行う情報・サービスの高品質化: 昨年度からの活動を継続させ、リアルビジネスを通じて経験する人の振る舞いや、コミュニティの交流関係性のデータに着目し、データマイニングを行うことで、経験・信頼価値への影響要因を精査する。データマイニングで発見した集団行動特性を解釈して対応付けたり、解釈から判断の根拠となるデータへと遡ることができたりする仕組みの研究を進める。 (2)グローバルビジネス化への対応を行う情報・サービスの高品質化: 他者に対する信頼促進メカニズムの文化差に関する究明を軸に、多岐に渡る消費者心理・行動傾向に対する文化的影響をリアルとネット双方で分析する。これにより、リアルとネット内で文化的影響の強さの異なる消費者心理・行動のタイプを同定し、グローバル化を視野に入れた経験・信頼価値創出のための基礎理論を構築する。また、高コンテクストサービスを対象に、その社会構造的基盤の探索を行い、高コンテクスト性と信頼における文化差の関係分析を行う。特に、暗黙的な情報提供のしかたを前提とした価値共創に関する事例分析を進める。 (3)知識活用型サービス・バリューチェーンの実証分析: 当該研究成果を手がかりとして、経験・信頼価値の実証分析に向けたフレームワーク構築を行う。形式化(モデル化)した経験や信頼価値を生むプロセスや、「型(かた)」を蓄積し、(疑似)経験・体験の共有や、信頼構築の促進の手立てをはかることを目指す。また、有効性を検証するために、提案フレームワーク上で、対人サービス、ITサービス、金融サービスなどの領域において、実証分析の着手を行い、教育への応用も目指す。
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Research Products
(80 results)
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[Presentation] Farming, but not fishing, cultivates shared culture within a community2015
Author(s)
Uchida, Y., Takemura, K., Fukushima, S., Saizen, I., Koizumi, N., Kawamura, Y., & Yoshikawa, S.
Organizer
the 2015 SPSP (Society for Personality and Social Psychology) Preconference "Advances in Cultural Psychology"
Place of Presentation
Hilton Long Beach, USA
Year and Date
2015-02-26
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[Presentation] 日本人の寄付行動と幸福感2014
Author(s)
鈴木 智子
Organizer
第10回「持続可能性と幸福度」大学院生研究会
Place of Presentation
Kyoto University, Japan
Year and Date
2014-07-07
Invited
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