2016 Fiscal Year Annual Research Report
経験・信頼に基づく知識活用型サービスバリューチェーンの実証研究
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25240050
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
原 良憲 京都大学, 経営管理大学院, 教授 (20437297)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克己 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00127375)
戸谷 圭子 明治大学, グローバル・ビジネス研究科, 専任教授 (20350308)
杉山 歩 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (20586606)
竹村 幸祐 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (20595805)
鈴木 智子 京都大学, 経営管理大学院, 特定准教授 (20621759)
前川 佳一 京都大学, 経営管理大学院, 特定准教授 (30511290)
山内 裕 京都大学, 経営管理大学院, 准教授 (50596252)
神田 陽治 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80417261)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | サービスマネジメント / サービス・バリューチェン / サービス情報学 / 経験価値 / 信頼価値 / サービス文化的要因 / サービス品質 / サービスケイパビリティ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
（１）コモディティ化への対応を行う情報・サービスの高品質化：
本年度は、体験共有が誘引する価値増幅の現象に関した経験・信頼価値フレームワークの探索、及び評価指標明示化の実証分析を進めた。まず、情報領域では、消費者の評価（レビュー）データを分析集約し、ものやサービスの優劣を比較できる手法を開発した。特に、経験属性に関するユーザ評価データを機械学習することで、ものやサービスの経験属性に基づく評価が行えるようなシステムを開発した。またリアルサービス領域では、他者とコンテクストを共有するという体験共有型の仕組みに関する分析手法開発・検証を行った。一例として、観光客が実際に体験する「ワインツーリズムやまなし」を対象に、観光客へのコンテクスト共有を促すITによる仕組み作りやその評価を行う基盤の整備を行なった。
（２）グローバルビジネス化への対応を行う情報・サービスの高品質化：
本年度は、交流関係性の構築方策（他者に対する信頼構築、SNSにおける意見表明等）と経済・社会的価値に関する研究を進めた。今後は、多岐に渡る消費者心理・行動傾向に対する文化的影響を分析し、リアルとネット内で文化的影響の強さの異なる消費者タイプを類型化したのち、グローバル化を視野に入れた経験・信頼価値創出のための基礎理論を構築する。
（３）知識活用型サービス・バリューチェーンの実証分析： 本年度は、アパレルなどのサービスの経験的分析を継続し、文脈依存型のサービスをどのように規模展開するのかという視座から理論的枠組みを探究した。その中で相互主観的な行為によって打ち立てられるという遂行性、また、行為を可能にする文脈はその行為自体によって打ち立てられるというリフレクシィビティを概念化した。サービスの価値はこのような文脈構築に依存するため、文脈を所与のものとはせず、文脈が構築される行為をサービスの行為の一部として捉えることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度（平成２８年度）の目標と実績とを比較し、おおむね当初の計画に沿った研究活動（仮説構築等）と成果（仮説検証等）がなされている。以下に、項目毎の目標と主な成果との対比を示す。
（１）情報の信頼性や経験価値・信頼価値についての理論的枠組みの提示： 本年度は、経験・信頼価値創出のプロセスを整理、抽象化、統合させ、理論的枠組みの提示を行うことを目標とした。文脈依存型のサービスの理論的枠組みとして、相互主観的な行為によって打ち立てられる遂行性や、行為を可能にする文脈はその行為自体によって打ち立てられるというリフレクシィビティを概念化し、文脈が構築される行為をサービスの行為の一部として捉える理論を提示した。また、交流関係性の構築方策（他者に対する信頼構築、SNSにおける意見表明等）と経済・社会的価値に関する理論構築の研究を進めた。
（２）情報の信頼性や経験価値・信頼価値についての実証分析： 経験価値・信頼価値創出の方法論検証を行うため、対人サービス、情報サービス、金融サービス等の領域における実証分析を行うことを目標とした。対人サービスでは、観光客が実際に体験する「ワインツーリズムやまなし」を対象とした実証分析を行い、情報サービスでは、機械学習を用いた経験属性に基づく評価システムを開発した。また、金融サービスと新交通サービスとの比較分析を行い、関係者間の知覚「信頼」認知の持つ共創価値への影響度の比較検証を進めた。
（３）知識活用型サービスバリューチェーンのフレームワーク構築：（１）、（２）の活動を踏まえ、バリューチェーン全体のモデル化、持続性と発展性とのバランスが行えるサービスエコシステム全体の能力開発（サービスケイパビリティ）のフレームワーク構築を目標とした。本年度は、３方よし（売り手、買い手、世間）、４方よし（＋未来）に基づくフレームワークを提示し、事例との対比を行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
（１）コモディティ化への対応を行う情報・サービスの高品質化： 本研究では、価値の持続化（継続利用・脱コモディ化）を目指し、ITサービス領域における経験価値・信頼価値、並び評価指標に関する実証分析の結果をまとめる。情報発信者の多様性評価、サービス複合化による高品質化プロセス（エコシステム）などの個々の理論研究成果をもとに、価値共創フレームワークとして位置づけた提案を行う。
（２）グローバルビジネス化への対応を行う情報・サービスの高品質化： ホテル等のホスピタリティサービス領域における経験価値・信頼価値、並びに、消費者心理・行動傾向に対する文化的影響に関する分析結果をまとめる。本研究では、ハイコンテクスト性と信頼における文化差、特に、暗黙的な情報提供のしかたを前提とした価値共創に関する前年度までの研究結果をもとに、具体的にホスピタリティサービス分野に適用した実証研究をまとめる。また、ホスピタリティを核としたサプライチェーン全体や関連業種間での生産性向上に資する価値共創フレームワークを提案する。
（３）知識活用型サービスバリューチェーンの実証分析： 対人、金融サービス等の領域における経験価値・信頼価値に関する実証分析の結果をまとめる。当該領域は、専門知識、大規模展開を必要とする重要サービスとして好例であり、顧客と従業員という人の問題解決を支援するフレームワークの研究である。具体的には、組織的活動を実行することが困難な個人異質性の大きい専門ニーズを有するサービス遂行に対し、サービス組織能力（サービス・ケイパビリティ）向上の観点から、個人スキル・金融商品提供プロセスの共有知識ベース化を図り、高度な価値共創フレームワークを提案する。
（４）（１）～（３）の実証研究をもとにした知識活用型サービスバリューチェーンについて、統合フレームワークの明示化を進め、本プロジェクトのまとめを実施する。
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[Presentation] 文脈誘導型ランキング学習2017
Author(s)
加藤誠, 内田臣了, Wiradee Imrattanatrai, 山本岳洋, 大島裕明, 田中克己
Organizer
第9回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム（DEIM Forum 2017）
Place of Presentation
岐阜県高山市高山グリーンホテル
Year and Date
2017-03-07 – 2017-03-07
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[Presentation] Disentangling effects of society-level wealth and individual-level wealth on independence: An examination through regional differences in China2016
Author(s)
Takemura, K., Hamamura, T., Guan, Y., & Suzuki, S.
Organizer
the 23rd congress of the International Association for Cross-Cultural Psychology
Place of Presentation
WINK AICHI, Nagoya, Aichi, Japan
Year and Date
2016-08-02 – 2016-08-02
Int'l Joint Research
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[Book] "Sustainability and Scalability in Japanese Creative Services" in Kwan, S., Spohrer, J., Sawatani, Y. (Eds.), Global Perspectives on Service Science: Japan2016
Author(s)
Hara, Y., Maegawa, Y., & Yamauchi, Y.
Total Pages
349(249-260)
Publisher
Springer
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