2014 Fiscal Year Annual Research Report
森林の生物多様性に寄与する大型哺乳類による樹木種子の長距離散布の解明
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25241026
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
正木 隆 独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 領域長 (60353851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永光 輝義 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (30353791)
小池 伸介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40514865)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | SSRマーカー / カスミザクラ / ウワミズザクラ / ジェノタイピング / 散布量 / ツキノワグマ / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
モモやオウトウで開発されているSSRマーカーが本研究の対象種であるカスミザクラとウワミズザクラで利用可能であるか検討した結果、カスミザクラについて最適なSSRマーカー14座を決定し、ウワミズザクラについては利用できそうなSSRマーカー30座を確認した。糞塊から取り出した両種の種子の種皮や内果皮を用いてDNA抽出を試みたところ、内果皮から良質なDNAを抽出できることがわかった。以上の方法を用いて両種のテストサンプルの種子と成葉のジェノタイピングを行った結果、散布種子の母樹の判定に成功した。カスミザクラとウワミズザクラの散布種子の量については、ツキノワグマとニホンザルの分布する足尾山塊では哺乳類による散布種子の75~85%がこの2種類の動物によって、それらが分布しない北茨城では100%がテンとタヌキによって散布されていた。以上のように、本年度までの研究によって、カスミザクラとウワミズザクラの遺伝子流動の解析のベースとなるSSRマーカーの開発がほぼ完了したとともに、これらの樹種の種子散布に関わる各種動物の特徴(散布距離、散布量)を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子流動の解析のベースとなるSSRマーカーの開発がほぼ完了し、種子散布に関わる各種動物の特徴(散布距離、散布量)も把握できたことから、順調に進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
カスミザクラ以外の樹種についても、種子源の標高と種子採取地点の標高から種子散布距離を推定するとともに、自動撮影カメラを用いて哺乳類による散布量の調査を行う。また同時に、遺伝学的方法によって哺乳類によるサクラ類種の散布距離を推定する。さらに、大型哺乳類がいる地域といない地域で、サクラ類の空間遺伝構造を比較する。以上の結果にもとづいて哺乳類や鳥類によるカスミザクラとウワミズザクラ種子散布カーネルを推定し、最終年度には、仮説1)樹木個体群の平均種子散布距離は、大型・中型哺乳類の密度の生息する地域では長く、それらが不在の地域では短い、仮説2)散布距離が長くなるとともに、遺伝子流動の空間スケールが大きくなる、という仮説を検証する。
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Research Products
(4 results)