2013 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分間相互作用の新規解析方法の確立と味覚修飾物質のスクリーニング
Project/Area Number |
25242012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝倉 富子 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20259013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 俊匡 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (50451844)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食品 / 成分間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
味は食品のおいしさにとって最も重要な要素である。食品に含まれる味物質は、互いに作用しあっている。例えば味の相互作用、相乗作用、対比効果などである。特に食品加工では、苦味抑制物質と塩味増強物質が重要な働きをもっており、本研究はこれらの物質をスクリーニングするためのアッセイ系の構築および、作用機作を解明することを目的とする。 本年度までの成果として、塩味受容体のひとつであるENaCを活性化する分子をスクリーニングする培養細胞系を立ち上げることに成功し、ENaC活性剤を数種得ることができた。さらに活性化能を検証するために、二次スクリーニングの系を確立する。 本研究申請前に、チーズの苦味を抑制する物質として脂肪酸を同定し、その作用機構として、脂肪酸が苦味物質に直接作用することを示唆するデータを得ていた。等温滴定カロリメトリー(ITC)を用いて脂肪酸と苦味物質の種類を替え、どの組み合わせの時に相互作用が検出されるかを解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、食品成分間の相互作用を解析することで、単独で存在する場合に較べて、より機能性の高い化合物を創出することを目的にしている。現在までにヒト塩味受容体の一つであると言われる。ヒトENaCを活性化する分子をスクリーニングするための系を構築した。第一に、HEK293T細胞にヒトENaCの3つのサブユニットα、β、γを発現させた。ENaCの活性化は、膜電位色素を同時に導入することで、ナトリウムイオンあるいはクロライドイオンが取り込まれるあるいは放出された際に、変化する膜電位を検出する。この系を用いて、創薬イノベーションセンターが保有する20万の化合物ライブラリーのスクリーニングを開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの成果をもとに、ヒトENaCの3つのサブユニットを発現させたアフリカツメガエル卵母細胞に対し、HEK293T細胞でスクリーニングをした分子について二次スクリーニングを行う。 苦味抑制物質として同定した脂肪酸の苦味抑制機構について詳細な解析を行う。また、新規塩味増強剤の探索も行う。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Changes in brain tissue and behavior patterns induced by single short-term fasting in mice.2013
Author(s)
Hisatomi, Y., Asakura, K., Kugino, K., Kurokawa, M., Asakura, T., and Nakata K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e800857
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[Journal Article] Experimental detection of proteolytic activity in a signal peptide peptidase of Arabidopsis thaliana.2013
Author(s)
Hoshi, M., Ohki, Y., Ito, K., Tomita, T., Iwatsubo, T., Ishimaru, Y., Abe, K., and Asakura, T.
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Journal Title
BMC Biochem.
Volume: 14
Pages: 16
DOI
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