2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25242067
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
野口 博司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60126141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 洋行 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20416663)
梅原 薫 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40185070)
渡辺 賢二 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (50360938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポリケタイド / 閉環酵素 / X線結晶構造解析 / 酵素工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アサ由来オリベトール酸閉環酵素(OAC)の基質特異性と触媒機構の詳細な解析を目的に、その生成物であるオリベトール酸との共結晶化を行った結果、1.6オングストロームの分解能でOACとその生成物であるオリベトール酸との複合体構造の取得に成功した.前年度に取得したOACアポ型結晶構造と本結晶構造について解析を行ったところ,OACはその活性中心キャビティーに疎水性に富んだポケットを有し,ここにオリベトール酸のヘキサノイル基を疎水性相互作用で結合すること,及び,His78がTyr72を介してオリベトール酸のカルボキシル基と,His5がオリベトール酸の芳香環水酸基とカルボキシル基と水素結合を形成することが示された.そこで,これら3つのアミノ酸に変異を導入した変異酵素を作成し(His5Ser,His5Gln,Tyr72Phe,His78Ser,His78Gln),変異が酵素活性に及ぼす影響について精査した.その結果,Tyr72Phe,His78Ser,His78Gln変異酵素はOACの酵素活性が完全に消失するのに対して,His5Ser,His5GlnはOAC野生型の47%,22%のOAC活性を各々示すことが判明した.これらのことからOACは,Tyr72とHis78を触媒残基として閉環反応を触媒していることが示唆された.今後、これら立体構造情報の活用により、OACの詳細な触媒機構の解明と、OACの機能改変およびそれら機能改変酵素を用いた新規化合物群の創出が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、OKSの基質特異性と触媒機構に関して詳細な知見が得られていることから、総合的に概ね計画通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度において得られたOACの触媒機構に関する知見を踏まえ、新たな化合物を生成する変異酵素の作成に取り組む。また、OACを他のⅢ型ポリケタイド合成酵素と組み合わせた場合の酵素反応生成物についても精査し、これらの成果を論文として取りまとめ、成果を公表する。
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[Journal Article] Peptide synthesis cooperatively achieved by peptide ligase and ribosomes2015
Author(s)
M. Noike, T. Matsui, K. Ooya, I. Sasaki, S. Ohtaki, Y. Hamano, C. Maruyama, J. Ishikawa, Y. Satoh, H. Ito, H. Morita, T. Dairi
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Journal Title
Nat. Chem. Biol.
Volume: 11
Pages: 71-76
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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