2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244004
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大久保 良峻 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30213664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
蓑輪 顕量 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30261134)
吉田 一彦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40230726)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
菊地 大樹 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80272508)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 思想史 / 日本仏教 / 国際的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、日本仏教の多面的・国際的な研究の場を展開するための活動を進めた。まず年に3回の検討会を開催した(平成28年4月17日東京、9月23日東京、11月26日中国・寧波)。 その相談にもとづき、今年度の活動に二つの重点目標を立てた。第一は、従来以上に若手研究者に報告の機会を提供することである。平成28年11月26日に国際シンポジウム「漢字文化と仏教」(第2回研究集会に当たる、中国・寧波・七塔禅寺共催)を開催した際には、全発表者16名のうち若手研究者を13名(そのうち外国人研究者が3名)とした。科研の研究分担者などは裏方に回り、司会・進行や会場関係を担当した。早い時期から国際学会で発表する機会を得て、自己の研究を多角的視点のもとに進めてもらうことを目指した。もう一つの目標は、初学者から専門研究者まで利用できる日本仏教の概説書の制作である。平成28年9月23日に開催した第1回研究集会(於早稲田大学)は、同書執筆の中間報告的な性格で企画し、研究代表者・分担者・協力者から発表者・コメンテーターを選定した。具体的には、古代編を担当している2名のうち1名が発表し、他の1名がコメントを述べた。同様の原則で中世編、近世・近代編も実施した。そうした経緯も経て、平成29年3月までに各担当者の原稿が入稿された。現在は出版社で校正を出すための作業を行っている。あわせて、各章の英文要旨を作成している。同書は日本仏教史上の代表的な資料を選び、信頼できる本文と書き下しを提供する内容を持ち、斬新な空論に陥らず概観するための効果的なアプローチを入手できるツールとなる予定である。 以上の活動については、本科研のHPを設置し情報公開しているhttp://international-study-buddhism.webnode.jp/)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28度度は、平成27年度に掲げた目標について、おおむね達成した。 (1)「年に2回程度、定例の研究会を開催する」ことを計画し、平成28年の4月、9月、11月に3回開催した。活動の現状や方向性、研究集会の開催準備等について建設的な議論がなされ、課題が明確化できた。また「HPによる情報の公開を引き続き実施」という計画に対し、すでに開設されているHPに各種情報を追加し充実させている。平成28年度分として、例会3回、研究集会2回の活動報告(会場の写真を含む)を掲載し発信した。 (2)「国際研究集会を開催する」という計画に対し、研究代表者と研究分担者5名が参加し、平成28年11月に中国・寧波(七塔禅寺共催)で研究集会を開催した。「両国の若手研究者が交流する場を支援する」という趣旨に沿って、本科研メンバーは裏方に回り(司会・進行、会場関係などを担当)、若手研究者13名(うち海外出身者3名)が研究発表を行った。その日の討論等に加え、前後の日程で寺院見学会を企画し、天台山国清寺、阿育王寺、普陀山などを回る中で、若手研究者同士の交流を実現した。 (3)「日本国内の研究集会」については、予定どおり平成27年9月に早稲田大学を会場として実施した。その記録については、HPで公開している。今年度は概説書編集を進める方針をたて、それに沿って実施できた。 (4)初学者から専門研究者まで利用できる日本仏教の概説書の制作を企画し、本科研の研究代表者・分担者・協力者の合計8名で原稿を執筆し、平成29年3月に入稿した。なお「海外の研究者を加えた共同作業」を目指し、原稿執筆段階で国際学会などで交流のあった外国人研究者の意見等を反映するよう努力した。また、海外の研究者が使用する手がかりとなるよう、各章の英文要旨を作成中で、刊行の際に収録される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が最終年度であるが、基本的に従来の方針を踏襲し、国際的研究を基盤に据え、様々な分野の研究者との交流を深める場を設ける。また、教学と歴史学を柱とする日本仏教史の概説書刊行については、今年度の刊行を目指す。そのために次の活動を行う。 (1)年に2~3回程度、定例の研究会を開催する。研究代表者と分担者の専門領域のみならず、連携研究者・研究協力者を加え、多角的な視野から議論する。また、研究集会の運営や概説書の体裁など、活動の内容について話し合う。(2)HPによる情報の公開を引き続き実施する。研究集会の日時、活動予定、活動報告などに加え、画像により様子が分かるようにする。(3)海外の研究者との交流については、すでに米国と中国で研究集会を実施しているので、異なる地域として欧州で国際研究集会を開催する(11月、イタリア・ナポリを予定)。使用言語は英語とし、欧州と日本側それぞれ数名が発表する。また、本科研の成果が今後につながるよう、情報交換等を行う。(4)国際研究集会(最終年度)開催の準備を始める。9月23日に早稲田大学で開催することが決定し、現在報告者の選考中(外国人研究者3名、日本人3名を予定)。(5)最終年度に計画している、日本仏教に関する概説書刊行について、すでに入稿を終えた(英文要旨は和文からの翻刻作業中)。今年度は全体で検討を加え(内容、体裁など)、期限内に完成するための準備を進める。
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Research Products
(25 results)