2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しいカルチュラル・スタディーズの基礎理論構築―残滓としての英国批評を活用して
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25244014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
川端 康雄 日本女子大学, 文学部, 教授 (80214683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雄三 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (10273715)
遠藤 不比人 成蹊大学, 文学部, 教授 (30248992)
河野 真太郎 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (30411101)
大貫 隆史 関西学院大学, 商学部, 准教授 (40404800)
鈴木 英明 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70299965)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | 文化の思想 / カルチュラル・スタディーズ / 近代イギリスの思想 / レイモンド・ウィリアムズ / ウェールズ・英語作家 / 精神分析 / ジョージ・オーウェル / 成人教育 |
Research Abstract |
本研究は基盤研究B(一般)「構造主義の残滓としての英国批評の国際的再検討」(2010年度~2012年度)で蓄積した調査・研究を基礎とし、それを定期的な研究会、シンポジウムなどによって共同の検討に付すという手順をさらに改善しつつ行った。また本研究課題遂行者はこれまで「Raymond Williams研究会」という形で定期的な研究会を行ってきたが、この研究会を基礎としつつ、研究水準の維持・向上のため、海外研究者を招いた国際シンポジウムを開催した。併せてWilliams研究会の機関誌として『レイモンド・ウィリアムズ研究』第4号を編集、刊行した。 国際シンポジウムについては、2009年10月(Swansea University)、2010年9月(日本女子大学)、2012年11月(Dylan Thomas Centre, Swansea)に開催されたシンポジウムに引き続く、国際シンポジウムRaymond Williams in Transit IV: Culture as a Whole Complex : (Re)Action to Industrialism and Laissez-faire ThoughtをWilliams研究、ウェールズ文化史研究、文化の思想研究などについて充分な実績を有する国内外の研究者を招聘の上、2014年3月に日本女子大学において開催し、本課題の方法論的前提である〈複雑な全体〉としての文化、英国の文化思想と産業資本主義との相互関係を検討した。 加えて、資料調査についは、本課題に関連するThe Raymond Williams Archive (Swansea University)ほか海外図書館、アーカイヴで調査を行った。また課題遂行に必要とされる資料については、国内外図書館所蔵のもの含め、各自収集と分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度は11月に本研究の交付決定があって、実質上5ヶ月に満たない短い研究期間ではあったが、最大の企画として2014年3月16日に国際シンポジウムを日本女子大学にて開催し、成功裏に終えることができた。特に2人の招聘者、ウェールズ史研究家のChris Williams博士(カーディフ大学教授)、ウェールズ文化の観点から英文学を読み直しているAndrew Webb博士(バンガー大学講師)の参加を得て、産業主義と文化というテーマで論議を深められたことは、今後本研究を進展させる上でたいへん有意義であった。 加えて、上記のほかに国内での研究会を2度開催し、共同研究を進めることができた。 海外出張については、川端康雄が2014年3月22日から3月31日まで、ロンドン(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、ロンドン大学セネット・ハウス)およびスウォンジー大学図書館にてウィリアム・モリスおよびレイモンド・ウィリアムズに関する調査と資料収集をおこなった。また、遠藤不比人は2014年26年3月22日から3月25日まで、ロンドンの精神分析協会図書館でブルームズベリー・グループによる精神分析受容、特にカリン・スティーヴン関連の一次資料を調査した。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、2013年度の国際シンポジウムと資料調査の結果を受けて各自、および集団的に研究内容を検討する。エドワード・サイードなどポストコロニアル批評の研究動向を踏まえる必要があるとの認識から、2014年度よりこの方面に強い西亮太(中央大学助教)を新たに研究分担者として加えることとした。 研究分担者が関東圏(4名)と関西圏(2名)に居住しているため、定期的に東京および関西での研究会を行い、あわせて、関東圏と関西圏(およびその近郊)に居住する研究者の参加を広く募り研究成果の精緻化を図る。検討の結果、さらなる資料調査が必要になる場合は、適宜調査をする。同時に、雑誌『レイモンド・ウィリアムズ研究』その他の媒体において研究結果を公表する。 さらに、本研究の代表者および分担者の全員が係わっているレイモンド・ウィリアムズ研究会のホームページを準備中である。関連資料のデジタル化や研究会の情報を伝える媒体としてこれを有効に活用していきたい。
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Research Products
(5 results)