2014 Fiscal Year Annual Research Report
中近世キリスト教世界の多元性とグローバル・ヒストリーへの視角
Project/Area Number |
25244035
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
甚野 尚志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90162825)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大稔 哲也 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10261687)
平山 篤子 帝塚山大学, 経済学部, 教授 (20199102)
踊 共二 武蔵大学, 人文学部, 教授 (20201999)
堀越 宏一 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20255194)
三浦 清美 電気通信大学, 情報理工学部, 教授 (20272750)
青柳 かおり 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (30634696)
太田 敬子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40221824)
根占 献一 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (50208287)
関 哲行 流通経済大学, 社会学部, 教授 (60206620)
網野 徹哉 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60212578)
大月 康弘 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70223873)
疇谷 憲洋 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 准教授 (80310944)
皆川 卓 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (90456492)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | キリスト教 / ギリシア正教 / ロシア正教 / イスラーム教 / 中世ヨーロッパ / 近世ヨーロッパ / キリスト教布教 / カトリック教会 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、我々の共同研究の方向性をまず確認するとともに、各分担者が設定した個別テーマの研究をそれぞれが深めた。またとくに、ヨーロッパの研究者との国際的な交流・意見交換を実現させることを主な目的として活動を行った。年度初めの5月には、本科研の前に行っていた科研・基盤Bの成果の論文集(甚野尚志/踊共二編著『中近世ヨーロッパの宗教と政治―キリスト教世界の統一性と多元性』ミネルヴァ書房、2014年)の合評会を行い、これまでの研究の成果を確認し、それとともに本科研の研究の方向性を議論した。その後、ヨーロッパの研究者との交流の企画として、10月末にイタリアのトレントのイタリア・ドイツ歴史研究所でイタリア人研究者とのワークショップを開催することを決めた。7月には、このワークショップの報告の予行演習を兼ねて、「近世カトリック教会と日本布教」をテーマにした研究会を開催した。このトレントでのワークショップは10月30-31日に、Medieval and Early Modern Religious Histories: Perspectives from Europe and Japanというタイトルのもとで開催され、我々の科研分担者では、甚野尚志、皆川卓、踊共二、根占献一、平山篤子が報告し、中近世キリスト教世界の諸問題をめぐりイタリア人研究者との交流・意見交換を行った。このトレントのイタリア・ドイツ歴史研究所でのワークショップは、今後も定期的に継続することが決まっている。その後12月には、「中世の東方教会をめぐって」と題した研究会を開催し、イスラーム世界、ギリシア正教世界、ロシア正教世界の相互関係について分担者が報告し、その相互交流関係について考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研は、中近世キリスト教世界の多元性の問題をグローバル・ヒストリーの視点から考察することを目的としており、そのために、中近世カトリック世界、ギリシア正教世界、イスラーム世界の相互関係やアジアへの布教の問題も積極的に考察し、従来のヨーロッパ史の枠組みを超えることを一つの目標に設定しているが。これまでの研究会では、予定どおり、そのようなテーマに沿った報告がなされてきた。また、もう一つの大きな目的は、ヨーロッパの研究者との交流であるが、それも、10月末にトレントで開催したイタリア人研究者との国際ワークショップによって達成されたので、研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本科研では今年度も、昨年同様に、中近世カトリック世界、ギリシア正教世界、イスラーム世界の相互関係やアジアへの布教の問題を、相互交流・相互影響関係を重視しながら分析し、新しいグローバル・ヒストリーの見取り図を描くことを目的にした研究活動を行いたい。そのために、研究分担者だけでなく、当該の問題に関心のある研究者も含めて、研究会を開催しつつ議論を深める予定である。また、ヨーロッパの研究者との国際交流に関しても、今年の12月には昨年同様、トレントのイタリア・ドイツ歴史研究所でイタリア人研究者との国際ワークショップを開催することが決まっている。これにより、科研共同研究の国際的な発信を同時に行いたいと考えている。
|
Research Products
(13 results)