2014 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
25245011
|
|---|
| Research Institution | Nagoya Gakuin University |
|---|
Principal Investigator |
加藤 雅信 名古屋学院大学, 法学部, 教授 (70009819)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯村 保 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00030635)
中野 邦保 桐蔭横浜大学, 法務研究科, 准教授 (10440372)
松岡 久和 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30165782)
田高 寛貴 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (60286911)
五十川 直行 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80168286)
宮下 修一 静岡大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
川崎 政司 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (50649530)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 担保法改正 / 譲渡担保 / 仮登記担保 / 動産抵当 / 債権法改正 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の実績は、大きく3点に分かれる。
その第一は、担保法の改正提案に直接かかわる研究である。日本の担保法改正のための前提作業としての比較法的研究としては、担保法が制定・施行されたロシアにおいて実地調査を行ったほか、フランスの『財の法』、ドイツのファンドブリーフ（いわゆるカバード・ボンド）についての文献研究を行った。担保法改正のための直接的な研究としては、譲渡担保・仮登記担保・動産抵当を中心とした研究を行った。
第二は、担保法がカバーする被担保債権をめぐって、法制審が債権法改正要綱を策定し、26年3月末には改正法案の国会提出がなされたため、この改正をめぐっての研究である。この点をめぐっては、5本の論文を公表したほか、現在、『民法（債権法）改正－－民法典はどこへいくのか［新版］』という、数百ページにのぼる単行本が校正段階にある。また、社会的にもこの研究は注目を浴び、内閣府規制改革会議からのヒアリングとして、研究代表者と法務省の債権法改正担当官が対席した形での会議が開催され、その会議録が内閣府のホームページ上に公開され、債権法改正の内容に大きな影響を与えることとなった。具体的には、法制審・民法部会の最終案－－「要綱仮案」－－が26年7月29日に最終決定される予定であったところ、上記ヒアリングが7月23日に行われ、その議事録公表がなされることとなったため、7月29日の民法部会は開催されないこととなり、8月26日に「要綱仮案」が決定された。その内容は、一ヵ月の間に大きく変更され、批判の対象となった改正案の過半が穏やかな内容に変更された。
第三は、民法総則の部分は、当然のこととして、各論である担保法にも影響を与えるが、この点については、民法改正研究会『日本民法典改正案 第1編 総則』（信山社）がやはり校正段階にあり、27年度には公刊される状況となっている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
担保法改正が本来のこの研究のテーマであるが、担保の被担保債権となる法分野の改正が現実味を帯びてきたため、26年度の研究は、この点にも大きなエネルギーを割かざるを得なかった。その結果、担保法の研究が若干遅れたことは否定できないが、その代わり、本研究の開始当時には予定していなかった『民法（債権法）改正－－民法典はどこへいくのか［新版］』という大部な単行本を公刊することになった。そこで、プラスマイナス0として、「おおむね順調に進展している」と評価しているところである。
|
| Strategy for Future Research Activity |
昨年、債権法改正のために研究が遅れた担保法本体の研究を精力的にすすめ、3年後の担保法の改正草案の完成と、担保法改正の論文集の刊行に向けて、研究会を精力的に進める予定である。ただ、現在、債権法改正草案が国会上程中であり、27年7月ぐらいまでは、債権法改正がらみの研究にもエネルギーを割かざるを得ない状況にあるため、8月から一月半に一度ぐらいの頻度で、担保法改正のための研究会を開催したいと考えている。
|
Research Products
(5 results)
