2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25245047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 修 一橋大学, 名誉教授 (40051867)
佐藤 正広 一橋大学, 経済研究所, 教授 (80178772)
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済史 / 農業経済 / 経済統計 |
Research Abstract |
平成25年度は、農林省『農家経済調査』の第3期(1931-41)のデジタル化・データ入力を、全府県について完成させることができた。これは、当初の予定を超える進展である。データベース化の作業手順としては、マイクロ撮影・紙焼き・製本・デジタル化・データ入力と流れてくるが、ここまでは専門業者が機械を用いて行う作業になる。しかし、その後、入力されたデータが原資料と一致しているかどうかを点検し、校正していく作業は手作業になり、時間もかかる。この部分については、熟練の校正者が行う必要がある。平成25年度については、入力したデータの校正作業に関して、15県分(秋田、茨城、東京、新潟、富山、山梨、静岡、愛知、大阪、奈良、和歌山、島根、徳島、福岡、宮崎)が完成した。 また、これらのデータを使った実証研究も行い、研究論文を発表した(研究成果参照)。具体的には、佐藤は日本の統計制度の歴史に関する研究を行い、斎藤・岡崎・有本は、これまで行ってきた農家の労働供給や消費行動・農家金融に関する研究を拡大したデータに適用した。浅見は、農家経営の観点から農家の簿記方法についての検討を行い、仙田・草処は、戦間期の繭取引に関する実証研究を行った。澤田・黒崎は、途上国の家計が直面するリスクに対して、どのような対処を行っているかを把握的に検討した。 パネルデータをはじめとするミクロデータを用いた実証研究者のすそ野を広げる目的で、若手研究者を招へいした会議を開催したり、若手研究協力者の研究活動への支援も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、農林省『農家経済調査』の第3期(1931-41)のデジタル化・データ入力を完成させることができた。これは、データベースを形成し、できるだけ早く公開したいという意図の下で、研究分担者および連携研究者・研究協力者、その他の人々から、さまざまな側面で協力が得られたことが大きかった。 しかしながら、このデータベースを用いた実証研究と、それに基づく様々な政策分析は、まだ十分に進展しているとは言えない。残りの研究期間を通して、このデータベースを用いた研究を進めていくという課題が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
データベース形成にかんしては、データ校正をできるだけたくさんの府県に関して完成させることが、第一の目標である。また、農林省『農家経済調査』第4期(1942-1948)についてのデータ入力作業も開始し、より長期のデータベース化を目指している。今後は、このデータベースの公開を促進することも含めて研究成果を発表していきたい。
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