2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様性と民主主義を視点としたシティズンシップ教育の国際比較研究
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25245080
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池野 範男 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10151309)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | シティズンシップ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研究は国内会議と国際会議による国際比較研究を通して、世界で多様な形で進められているシティズンシップ教育を日本型、アジア型、欧米型に類型化し、各型の構造と原理を析出し、グローバルな共通性とそれぞれの地域の固有性を解明する。また、本研究を通して、今求められている日本を交流センターにしたシティズンシップ教育研究の交流と革新を目指すものである。 本研究で採用する研究の方法は、類型化による比較研究である。そして、本研究の目的として、国際共同研究によって、欧米型、アジア型、日本型のシティズンシップ教育を多面的に比較考察し、各型の構造と原理を解明することにおき、2014年度は、シティズンシップ教育と価値や規範、多文化やアイデンティティとの関連に焦点化することにした。 その結果、次の3つの研究成果を出した。①デンマーク、英国など海外のシティズンシップ教育を調査し、類型化を試みたこと、②内外の研究者を招き、2015年1月10-11日、キャンパスイノベーションセンター東京で、「『道徳性』の視点から考えるシティズンシップ教育」の主題のもと、(通算)第2回国際会議を、また、3月7-8日、同志社女子大学で、「多文化と社会的包摂の視点から考えるシティズンシップ教育」の主題のもと、第3回国際会議を開催し、類型化の基盤を作ったこと、③中間的な考察をして、「グローバル時代のシティズンシップ教育-問題点と可能性:民主主義と公共の論理-」(日本教育学会編『教育学研究』第81巻第2号、2014年)にて、これまでの成果を活用し、理論的な類型化を図ったこと、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、国際調査、比較研究、類型研究の3つの研究内容からなっている。 1:国際調査は、ほぼ予定とおりにすすんでいる。 2:比較研究は、2014年度は、2回の国際会議を開催し、予定のものを行った。 3:類型研究は、理論的考察と類型の個別摘出は行ったが、各類型の踏み込んだ検討は行えなかった。2015年度の課題として残った。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の課題として残した、類型の個別考察とともに、発達段階、幼児期、児童期、青少年期に焦点を当て、アジア型、日本型、欧米型の3つの型のシティズンシップ教育の構造と原理を抽出する。 そのために、4月、11月、3月にそれぞれ国際会議を開催し、焦点別課題の研究仮説の設定、会議での検討課題を明確にし、会議後、整理し、個別類型の考察を深める。
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Research Products
(2 results)