2015 Fiscal Year Annual Research Report
位置制御シングルモード量子ドット・量子リングの伝導制御とその応用
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25246004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10183097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 量子ドット / 量子ナノ構造 / テラヘルツ / 単一電子トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
自己組織化InAs量子ドットのように電子準位がごく少数のモードしか含まないような極限ナノ領域では、その物理が量子力学に支配され、非常に理想的で制御性のよいものになる。従って、bottom-up的極限ナノ構造を作製し、電極から電子を注入し伝導を制御できれば、次世代のエレクトロニクスに新しい局面を拓くことができるであろう。本研究では、極微小自己組織化単一InAs量子ドット構造にナノギャップ電極により電気的にアクセスし、その電子状態やダイナミクスを明らかにするとともに、その応用を探索することを目的に研究を遂行している。 本研究で、我々は単一量子ドットを活性層とするトランジスタ構造において、量子ドットにアクセスするナノギャップ電極をテラヘルツアンテナと集積化することにより、量子ドット内のサブレベル間遷移をテラヘルツ電磁波で誘起された光電流の変化として検出することに成功した。特に本年度は、以下のような成果を挙げることができた。 1.量子ドットにコンタクトする電極のトンネル抵抗の非対称性により、テラヘルツ電磁波でサブレベル間遷移を誘起すると、単一電子ポンプとして機能し、光起電力が発生することを見いだした。この効果は、今まで利用が困難であった熱雑音を有用な直流パワーに変換することができるという点で、ナノエナジーハーベスティングとしての効果が期待できる。 2.量子ドットの中では電子間の相互作用エネルギーが10 meV程度となり、無視できない。従来は量子ドットの基底状態での帯電エネルギーを求めることはできたが、本研究でテラヘルツ誘起光電流の立ち上がりバイアス条件を調べることにより、デバイス動作にとって重要な励起状態での電子間相互作用のエネルギーを求める方法を開発した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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