2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ構造設計による生体内分解性マグネシウム合金の高強度・高靱化原理の確立
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25246012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
向井 敏司 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環, 教授 (40254429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 良央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302152)
山口 正剛 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (50360417)
Alok Singh 国立研究開発法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (60354213)
池尾 直子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80647644)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヘテロ・ホモ構造 / 粒界凝集エネルギー / 結晶粒微細化 / 生体内分解性 / 高靭性 |
Outline of Annual Research Achievements |
三元合金Mg-Ca-Zn, Mg-Ca-Alについて、0.05~0.6at.%の範囲で添加元素濃度の異なる鋳造合金を試作した。結晶粒組織をサブミクロンオーダーまで微細化した結果、降伏強度450MPa,破断伸び値12%を示す高強度合金を作製することができた。Mg-Ca合金に対する亜鉛やアルミニウムの複合添加は、加工硬化率の増大、亀裂発生までの変形量増加、亀裂進展速度の低下をもたらし、その相乗効果で高靭化が実現されていることを明らかにした。 第一原理計算の結果、カルシウムならびに第二元素としての亜鉛やアルミニウムは結晶粒界近傍に隣接して存在する方が安定であるため、共偏析しやすいことがわかった。これらの共偏析は結晶粒界近傍の電子密度を高くする効果があり、結晶粒界の強化に寄与していることを明らかにした。 高強度-高靭化効果が明らかになった合金組成をもとに、生体内で分解するデバイスを試作した。超微細結晶粒からなるMg-Ca-Zn合金製のネイルは座屈や破断を生じることなく生体骨への貫入が可能であり、4週までの埋植試験で単調に分解すること、および周辺の生体組織に悪影響を及ぼさないことを確認した。他方、Mg-Ca-Zn合金製のクリップは破断することなく閉口することが可能であった。組織観察の結果、カルシウムおよび亜鉛の添加により非底面転位が活性化され、動的回復を生じていることがわかった。ラットの肝動脈、肝静脈の一部を閉鎖する動物試験では、最長9ヶ月まで25匹を飼育した間に、血液の漏出による死亡例は皆無であり、十分な組織締結性能を有していることが確認された。 以上の第一原理計算、モデル材料創製、強度-靱性評価による機械的性能の検証、動物実験による生体内分解性の検証を通じて、高強度-高靱性を有する生体内分解性マグネシウム合金の創製原理を確立することができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
関連研究による受賞 ①軽金属学会 第128回春期大会 優秀ポスター発表賞(平成27年5月)、②ICSAM 2015 Best Poster Award(平成27年9月)、③日本金属学会 2015年秋期講演大会 優秀ポスター賞(平成27年9月)、④軽金属学会 第129回秋期大会 優秀ポスター発表賞(平成27年11月)、⑤⑥本金属学会 2016年春期講演大会 優秀ポスター賞:2件(平成28年3月)
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Fabrication of a magnesium alloy with excellent ductility for biodegradable clips2016
Author(s)
Ikeo, N; Nakamura, R; Naka, K; Hashimoto, T; Yoshida, T; Urade, T; Fukushima, K; Yabuuchi, H; Fukumoto, T; Ku, Y; Mukai, T
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Journal Title
Acta Biomaterialia
Volume: 29
Pages: 468-476
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Development of biodegradable occlusion device using ductile magnesium-zinc-calcium alloy2016
Author(s)
Ikeo, N; Nakamura, R; Naka, K; Hashimoto, T; Yoshida, T; Urade, T; Fukushima, K; Yabuuchi, H; Fukumoto, T; Ku, Y; Mukai, T
Organizer
10th World Biomaterials Congress
Place of Presentation
Montréal, Canada
Year and Date
2016-05-16 – 2016-05-22
Int'l Joint Research
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