2015 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル表面およびそのエッジ状態による電子・スピン輸送の研究
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25246025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 修司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00228446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 あかり 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70722338)
秋山 了太 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40633962)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / スピン・運動量ロッキング / フォトガルバニック効果 / ヘテロ界面 / ディラック・コーン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の成果として以下の3つの発見があった。 (1) トポロジカル絶縁体表面における原子ステップでの表面キャリアの後方散乱の抑制の実証:トポロジカル表面状態では、スピンと運動量が常に直交するという性質がある(スピン・運動量ロッキング)ため、その電子は、スピン反転が起こらない限り、原子ステップなどによって後方散乱されにくいが、その効果を表面状態電気伝導の測定によって、直接的に示した。微傾斜基板上に成長させたBiTeやBiSe薄膜を用い、原子ステップを横切るときの電気抵抗を測定し、ステップでの電子波動関数の透過率が、非トポロジカル物質に比べて高いことがわかった。 (2) スピン分裂表面状態でのPhotogalvanic効果の発見:ラシュバ型表面をもつ物質やトポロジカル絶縁体などのスピン分裂した表面状態での「スピン・運動量ロッキング」効果を利用して、円偏光照射によってスピン偏極電流を励起し、それを検出することに成功した。試料としてBi(111)超薄膜および1/3原子層のBiが吸着したAg超薄膜Ag(111)を用いいた。 (3) トポロジカル絶縁体への近接磁場効果の解明:磁性体がトポロジカル絶縁体の表面電子状態に及ぼす影響を研究した。反強磁性絶縁体MnSeをトポロジカル絶縁体であるBiSeやBiTe上に成長させると、ディラックコーン状のトポロジカル表面状態のディラック点にエネルギーギャップが開くことを光電子分光法によって発見した。また、磁化率のex situ測定から界面において強磁性的性質を示すことが明らかになった。これは、ヘテロ接合界面ではMnとBiが結合して新たな合金相構造が形成されているためと解釈でき、実際、電子回折によって、その原子積層構造を明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)