2014 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビーム複合利用による最先端微細加工材料のナノ化学の研究
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25246036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20251374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋揮 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00516958)
室屋 裕佐 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40334320)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / 半導体超微細化 / シミュレーション工学 / 計算物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体製造用リソグラフィでは、電離放射線による11nm 以下の大量生産の実現に向け開発が進められている。レジスト【微細加工材料】には、感度とともに、現像後のパターン側壁のラフネス【ラインエッジラフネス】を1nm 以下に抑えることが要求されるため、11nm 以下の加工の実現は、開かれた系に電離放射線を使って限られた量のエネルギーを局所的に与えた後、(拡散を伴う)化学反応を11nm 以下の領域で1nm 以下の精度で制御することを意味する。本研究では、極短パルス放射線による放射線誘起反応の時間分解計測に、極微電子線による空間分解計測を組み合わせた独自の手法により、最先端微細加工材料中のナノ空間で誘起される化学反応を解明し、11nm 以下の解像度による半導体大量生産を実現するための材料設計指針を得る。 本研究は①化学反応の時間分解計測からの化学種空間分布の時間変化抽出、②化学反応後の空間分解計測からの化学種空間分布の時間変化抽出、③化学反応のスパーオーバラップ計測(空間と時間の重なりの解析)、④シミュレーションコードの作製と解析の4つの手法により、ナノスケールの空間領域に誘起される化学反応の解析を行う。①-④の手法で得られるナノメータースケールの化学反応情報とGPC による反応前後での分子量変化、高速AFM による現像その場観察、NMR およびFTIR による保護基密度変化、QCMによる現像速度測定等により得られるデータを加え、シミュレーションを介して結合することにより、反応の詳細を解明する。本年度は、新規導入した電子線照射装置(EB-ENGINE)を用い材料情報を収集するとともに、ラインエッジラフネスの分子量依存性を明らかにした。また、酸の拡散の活性化エネルギーの影響を調べるため、酸アニオンを高分子に結合したレジストの感光機構を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、サンプルの量子ビーム照射にかかる時間が律速であったが、本年度、電子線照射装置を導入することにより、問題なくデータ収集が可能となり、”おおむね順調に進展している”と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、無機レジスト及びヘテロ原子を導入した高吸収レジストや近年注目を集めつつある自己組織化を念頭に新規材料の探索を行い、従来型有機系レジストとの反応系の違いを明確にし、両者の間の優位性を明らかにする。
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Research Products
(12 results)