2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25246041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
柳下 明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80157966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 高志 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (30114987)
岸本 直樹 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60302080)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超高速光電子回折法 / X線自由電子レーザー / 単一配向分子 / 分子構造変化 / 光化学反応 |
Research Abstract |
「超高速光電子回折法」のプロポーザル論文を出版した(Photoelectron diffraction from single oriented molecules: Towards ultrafast structure determination of molecules using x-ray free-electron lasers, Phys. Rev. A, 87, 063417 (2013))。実験装置(光電子回折計)に関するアップグレードの作業を実施した。さらには、分子配向制御用のNd:YAGパルスレーザーの集光光学系および集光像のリアルタイムモニターの高度化に関する作業を実施した。 その後、KEK・PFでアンジュレータX線を使ってXe原子の2p光電子の二次元運動量画像測定をおこない、光電子回折計のVelocity Map Imaging spectrometer (VMI)が設計通りに動作することを確認した。さらには、連携研究者が所属する理化学研究所(和光)で、Nd:YAGパルスレーザーの集光テスト実験をおこない、設計通りに集光点で~80ミクロンメートルの径に集光出来ることを確認した。この段階で、「超高速光電子回折法」の個々の実験技術(VMIおよび分子配向制御用のNd:YAGパルスレーザーの集光)は、初期の目的を達成することができた。 それで最終的に、光電子回折計とNd:YAGパルスレーザーのシステムを理化学研究所播磨研究所のXFEL施設(SACLA)に持ち込み、2014年2月22日~2月25日の期間に「超高速光電子回折法の開発」の実験をおこなった。この実験では、研究計画書に記した通り、Nd:YAGパルスレーザーで分子配向を制御したI2分子からのI 2p光電子の二次元運動量画像測定に挑戦した。しかしながら、XFELパルスを利用した初めての実験ということもあり、いろいろな困難・トラブルに遭遇し、残念ながら満足な実験結果を得ることが出来なかった。だが、次の実験に向けて克服すべき課題(各種データのリアルタイムモニタリング、パルス分子線用のパルスバルブのタイミング調整法など)を具体的に洗い出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々の実験技術に関しては、初期の目的を達成した。しかし、「超高速光電子回折法」への第一ステップとしての”配向I2分子からの光電子の二次元運動量画像測定”を成功させるにはいたらなかった。競争が激しいXFELのビームタイムを獲得しての研究になるので、自分の意図どおりに研究を進められないことが辛い。
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Strategy for Future Research Activity |
競争が激しいXFELのビームタイムを確保しての研究になるので、より一層周到な予備実験を実施してから本実験に臨む計画にする。さらには、短期間のXFELのビームタイムで十分な成果を挙げることができるように、高度な実験スキルを有する研究者を協力研究者に加えて、研究チームを強化する。
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Research Products
(11 results)