2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25246041
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
柳下 明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器科学支援センター, シニアフェロー (80157966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 高志 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 名誉教授 (30114987)
岸本 直樹 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60302080)
寺本 高啓 立命館大学, 理工学部, 助教 (40467056)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超高速光電子回折法 / X線自由電子レーザー / 単一配向分子 / 分子構造変化 / 光化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
光電子回折計とNd:YAGパルスレーザーのシステムを理化学研究所播磨研究所のXFEL施設(SACLSA)に持ち込み、2014年6月2日~6月5日の期間に「超高速光電子回折法の開発」の実験をおこなった。すなわち、Nd:YAGパルスレーザーで配列したI2分子を生成に、そこにXFELを照射して、配列したI2分子からのI2p光電子の回折像を測定することに成功した。この実験およびその解析結果は、NatureのScientific Reportsに投稿中(K. Nakajima, Photoelectron diffraction from laser-aligned molecules with X-ray free-electron laser pulses)。 2014年6月の実験では、I2分子の配列度があまり高くはなかったので、I2分子の配列度を高くしたI2p光電子の回折像の測定と光学レーザーで励起した配列I2分子からのI2p光電子の回折像の測定を目的として、光電子回折計とNd:YAGパルスレーザーのシステムを理化学研究所播磨研究所のXFEL施設(SACLSA)に持ち込み、2014年2月7日~2月9日の期間に「超高速光電子回折法の開発」の実験をおこなった。この実験では、いろいろなトラブルに遭遇してしまい、初期の目的の成果を得ることは出来なかったが、今後予定している光学レーザーでポンプし、XFELでプローブする実験スキームの基礎データを取得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「超高速光電子回折法の開発」への第一ステップである、”配列したI2分子からのI2p光電子の回折像の測定”に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度なので、「超高速光電子回折法の開発」研究として、ポンプープローブの実験をおこなう。すなわち、配列したI2分子に赤外レーザーを照射し多光子イオン化で、I2分子のクーロン爆発を起こす。そして、クーロン爆発で核間距離が離れていく途中のI2分子イオンに照射してのI2p光電子の回折像を測定する。そして、ポンプープローブの遅延時間毎の光電子の回折から遅延時間毎の核間距離を決定する方法論を構築する。
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Remarks |
柳下・基礎光化学物理研究室 http://molecule.kek.jp
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