2016 Fiscal Year Annual Research Report
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25247004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 恭司 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員上級科学研究員 (20012445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 篤史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50314290)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 研究員 (60027381)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドラム複体 / 楕円リー環 / 最高次可積分表現 / 双対アルティンモノイド / 歪増大関数 / 原始形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請時に提起した4っつの課題別にのべる。 第一.昨年度に引き続き拡張した設定の下に、原始型式の解析的構成の基礎理論の建設。 前年度に未完成であった「固有ではないが、射の危点集合に制限すれば固有となるような写像によるドラム複体の直像は連接となる」という定理の証明が完成した。その結果危点集合上にいろいろ注目すべき構造が現れだしたが、今後の解明を要する。前年度に続き今年度も開催した、日露二国間事業でもその点が注目されChris Brav氏と議論を深めた。他方この理論は、物理におけるLandau-Ginzburg modelとcompact Calvi-Yau 理論を融合したHybrid 理論との接点も大きく、Mauricio Romo 氏との討論が始まった。同じく、日露二国間会議にIonov氏を招聘し同氏が発展させたGeppner特異点の場合の原始型式の場合について交流を深めた。 第二.楕円リー環の最高ウエイト可積分表現論。8月に仏国リヨン大学庵原氏を招聘して共同研究を基礎から検討を始めた。しかし、全く新しい理論を基礎から建設するというs業のため、今年度では根基商ルート系に対するリー環の間の射の構成問題をぎろんするまでとなった。引き続き来季も同士を招聘し討論を続けるために、当科研費の一部を繰越す。リー環のみの言葉で高次剰余理論による特徴付けについては、進展はない。 第三.$A_{\frac{1}{2}\infty}$型 及び$D_{\frac{1}{2}\infty}$型 の原始形式の理論、$D_4$型についてJacobi形式による平坦構造の決定についての進展はない。 第四.双対Artinモノイドの歪増大函数の零点の研究が石部氏との共同研究に進展したが、更に二変数歪増大函数の理論を建設した。対数的に自由なアレンジメントについて阿部(拓郎)氏を6月にIPMUに招聘して共同作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンパクト多様体のドラムこホモロジーが有限次元なのは古典的であるが、開多様体では一般には正しくない。さらに多様体の族に対してドラム複体の直像は一般には連接とはならない。しかし、危点集合が固有であり、適当な境界条件を満たすような者に対してはドラム複体の直像が連接となることを示した(投稿中)。その証明に登場したKoszul-deRham complex は今後sらに改名する必要がある。一方場の理論における hybrid-model との関係も注目される。 楕円リー環は Kac-Moody リー環を超えるリー環でこれまでその可積分表現は研究されて来なかったが、三角分解を一般化することにより、連続のパラメーターを有する最高ウェイと表現を作ることが出来るようになった(すなわち、完全可約でない)。このパラメーターと種々の可積分系に登場するパラメータとの関連が注目される。 前年度は双対アルティンモノイドの歪増大関数について、石部氏と共同研究を行いそのゼロ点が(0,1]区間に集中していることを示したが、今年度はさらにその理論を二変数化することによりその根の集合が Chapoton-parameter により、どのように変形されるかの分析を行った。それにより、一変数理論がより自然にできるようになった(投稿中)。
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Strategy for Future Research Activity |
非ディスクリートな危点を持つ射に対して、どのような周期写像の理論が可能になるのか未解明であるが、そのドラム複体が連接になると言う事実は、これからの議論の出発点になると思われる。対応するサイクルが中間次元のラグランジアンになるとは限らないので、対応するこホモロジー類をどのようにとるべきかなどについて、原始形式の古典理論をモデルにしながら考察を続けたい。たほう、Koszul-DeRham 複体より危点集合上に定まった層の複体 \mathcal{H}_{p,q} の幾何学的意味について解明することも重要と思われる。 楕円リー環の最高ウェイと表現を作ると、対応する楕円ダイアグラムの各頂点にブロックが定まり、それらをすべての頂点に渡ってテンソルを取ることにより、ブロック代数なるものが定まる。素bのブロック代数のスペクトルが表現のパラメーターとなる。これからはそのスペクトルの幾何学を行うことが次の焦点となると思われる。他方楕円代数のシュバレイ基底を取るためにはルート系の根基商写像に対応すリー環の射を作る必要があるが、残念ながら、未だその一般的存在は知られていない。その点を解明するのも次の突破口である。 Chapoton の双対アルティンモノイドに対する2変数理論は一般のキャンセラティブモノイドに対する、2変数歪増大関数に一般化できるのでないかと思われる。その方向について調べることは非常に興味ある。
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Research Products
(7 results)