2013 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導共振器を使ったオンチップ型低分散超広帯域サブミリ波分光計の実証
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25247019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 孝太郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80321587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 泰 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教 (40450184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電波天文学 / ミリ波・サブミリ波 / 銀河形成・進化 / ダスト / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙におけるダストに隠された星形成の歴史を紐解くため、C+イオンからの158μm輝線の観測によりダストに覆われた爆発的星形成銀河の系統的な分光赤方偏移測定を可能とする、新しいサブミリ波超広帯域分光計DESHIMAの技術実証機の開発を進めている。研究初年次となる平成25年度は、以下の項目についての検討・開発を行った。
(1) DESHIMAの実験室における性能評価、特に、まず350GHz帯における分光性能の実験室評価を進めるための準備を行った。350GHz帯の信号源(マイクロ波のシンセサイザからの信号を入力して、それを増幅・逓倍して350GHz帯を出力するシステム)の調達を行い、実験室内で信号を発生させ、その周波数安定性や出力電力の安定性を確認するとともに、DESHIMAへ350GHz帯の信号を導入する光学系についての検討・準備も行った。 (2) 光学系の検討を開始した。DESHIMAを搭載する望遠鏡としては国立天文台が運用するASTE10m望遠鏡を想定しているが、搭載する場合には、ASTE望遠鏡内の、限られた空間しかない受信機室の内部にいかに設置し、また、望遠鏡からの信号をいかにDESHIMAヘ導くかという光学系の検討が重要である。まずは基本設計としてガウス光学を用いた検討を開始した。 (3) ASTE望遠鏡に搭載して行う試験観測および科学的観測についての内容の検討を行った。特に、DESHIMAによる科学観測の成果を拡大するため、他の観測装置、特に超伝導遷移端カメラ(TESカメラ)との併用による得失についての検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の推進を担う特任助教の雇用については、年度途中であるという状況もあり、高い技術・開発能力をもった人材の確保にやや苦慮しているという状況はあるが、次年度にむけて、引き続き、人材の確保に努めたい。他は実験室での測定準備についても予定通り推移していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究推進の軸となる特任教員の確保を進めつつ、DESHIMAの実験室での測定・評価を進めたい。また、光学系についての検討も引き続き進めていく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] An Intensely Star-forming Galaxy at z ~ 7 with Low Dust and Metal Content Revealed by Deep ALMA and HST Observations2013
Author(s)
Ouchi, M., Ellis, R., Ono, Y., Nakanishi, K., Kohno, K., et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 778
Pages: id.102, 12ページ
DOI
Peer Reviewed