2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘビークォークで切り拓く新しいハドロンと原子核物理
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25247036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 真 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60144606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10259872)
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (10311359) [Withdrawn]
高橋 徹 群馬工業高等専門学校, 一般教科(自然), 准教授 (70467405)
土手 昭伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (90450361)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | ハドロン分光 / 量子色力学 / チャームクォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度として、理論と実験の連携を主要な目標とする研究グループの整備を行った。科研費研究員として、東京工業大学に特任助教1名を採用し、研究グループの定期的なミーティングにより、研究の方向性や具体的な進め方を議論しながら、研究体制の構築を進めた。常に最新の研究動向を把握するための勉強会として「ハドロンカフェ」を定期的に開催する準備、KEK東海キャンパスにおけるJPARCワークショップ(平成26年2月)開催支援を行った。 A. HQバリオンのスペクトルと生成・崩壊反応:HQバリオンのメソンビームを用いた生成反応を中間子交換を一般化したレッジェ模型により解析し、ストレンジネスとチャームでの質量差による違いを解析した。この結果は、J-PARC実験にとって非常に重要である。また、HQバリオンの励起状態を2つの特徴的なモード(ρモードとλモード)を区別する観点により分析した。その結果、HQを1個含むバリオンでは、λモードとρモードの混ざりはクォーク質量の増大とともに強く抑制されることが明らかになった。 B. 格子QCDによるヘビーバリオンのスペクトルと相互作用:ヘビークォークの質量の変化によって、バリオンのSU(3)一重項からHQスピン対称性の現れまでが連続的に繋がることを示す興味深い結果が得られた。また、チャームクォークを含むバリオンの電磁形状因子から、波動関数のクォーク質量依存性の情報を得ることに成功した。 C. HQを含むエキゾティックハドロン、ハドロン分子状態:ヘビークォークスピン対称性によるHQ2重項が多クォークを含むエキゾティックハドロンや原子核状態などでも現れることを明らかにし、実験的な検証性を議論した。 D. HQハイパー核の少数系計算:HQバリオンと核子の相互作用の構築が終了、1チャネル系での2体問題および3体問題の解が得られた。論文として発表の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チャームハイパー核少数系計算に少し遅れが生じたが、その後回復し、25年度の目標は達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の目標はヘビークォークを含むバリオン、エキゾティックハドロンなどの生成、崩壊および構造をQCDおよびQCDに基づく有効理論を用いて系統的に解析することである。平成26年度以後も、定期的な打ち合わせ研究発表会合および、年に1回程度開催する報告会を中心として、理論グループと実験グループの研究者間連携を緊密に保つ。
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Research Products
(24 results)