2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヘビークォークで切り拓く新しいハドロンと原子核物理
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25247036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 真 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60144606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10259872)
肥山 詠美子 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他 (10311359)
高橋 徹 群馬工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70467405)
土手 昭伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (90450361)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | ハドロン分光 / 量子色力学 / ヘビークォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本分野の特徴は、J-PARCを中心とする、ヘビークォークハドロン実験施設における、現在進行中ならびに計画中の実験プロジェクトを強力にサポートできる理論グループを構築し、具体的な実験提案に関わる成果をあげることにある。平成26度の主な結果として、課題(AおよびB)では、ストレンジネス、チャーム、ボトムクォークを含むバリオンのスペクトルをQCDに基づく計算(格子QCD、QCD和則)およびクォーク模型による解析で行い、負パリティのバリオンのスペクトルにおいて、クォークの質量差によるアイソトープシフトに起因する2種類の励起モードが見られることを明らかにした。課題 (CおよびD)では、ヘビーハドロンと原子核の相互作用の解明も進め、チャームラムダやJ/psiメソンと原子核が束縛したチャーム原子核の存在可能性を指摘した。また、チャームやボトムクォークを含むテトラクォークやペンタクォーク、さらにダイバリオンの存在可能性をハドロン分子描像を用いて解析し、多彩なスペクトルが予想されることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
J-PARCにおけるハドロン実験が再開し、実験が進捗しストレンジクォークを1個あるいは複数含むハドロンおよび原子核の物理で新しい成果がでてきたことに伴い、理論的解析も大きく進んだ。その成果は原著論文として出版するとともに、内外の国際会議、ワークショップにおいて、代表者、分担者、雇用している研究員等による(招待)講演となっている。また、グループ内では、定期的に打ち合わせ会を開くとともに、ハドロンカフェ研究集会を定期的に開いて、議論の場とするほか、KEKやJ-PARCにおけるワークショップの開催にも協力している。研究グループの整備は順調に進み、本グループの活動が国際的にも良く認知されるに到っている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、理論と実験グループの連携を深め、国内、国外共同研究を広く展開する。とりわけ、J-PARCにおけるハドロン実験ホールの拡張計画立案に積極的に参画して、K10ビームラインなどにおける実験計画を具体化するために理論的な協力を進める予定である。国外では、韓国のInha大学、Yonsei大学、中国のIHEP研究所、スペインのValencia大学、ドイツのGSI研究所などの関連研究グループとの国際共同研究を進め、特に大学院生やPDなど若手人材の交流を図る。
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Research Products
(28 results)