2013 Fiscal Year Annual Research Report
海底圧力計アレー観測による海洋/固体地球システム現象の解明
Project/Area Number |
25247074
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
深尾 良夫 独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 特任上席研究員 (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 究 東京大学, 地震研究所, 准教授 (10345176)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海底圧力観測 / 海洋内部潮汐 / 海洋長周期重力波 / プレート境界滑り |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高感度水圧計アレーシステムの製作: 当初計画に従って、ParoScientific社製水深7000m用水晶式ナノレゾルーション水圧計8B7000-I-005を10台、及び東大地震研究所塩原 肇准教授開発のロガーを10台を購入した。当初計画にあった耐圧ガラス容器10台の購入は予算的に困難となったため、東大地震研から耐圧チタン容器10台を借り受け、それらの接続部分を測器と繋がるよう改造した。 2.流速計システムの製作: 別途予算で購入した超深度流速計(1台)は有用であるが最大2週間しかもたず、このままでは水圧観測と同時の長期観測はできない。このため流速計を分解しセンサー部分だけを取り出しその耐圧容器を特注して、水圧計システムと同じバッテリー群で長期駆動させることとした。この特注に時間がかかっため必要経費70万円を次年度繰越とし、次年度にこのシステムを完成させた。 3.アレー海底設置のための海洋研究開発機構船舶利用申請書の提出: 当初計画では、製作した水圧システムを次年度初旬に青ヶ島東方沖海底に設置することになっている。このための船舶利用の申請書を公募枠で申請し採択された。 4.海洋長周期重力波励起源の探索: 本計画の3番目の目的である海洋長周期重力波励起源の探索に向けて、海洋研究開発機構所有の熊野灘沖海底ネットワーク(DONET)の絶対圧水圧計及び海底広帯域地震計のデータを使って励起源探索を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.高感度水圧計アレーシステムの製作: 水圧計については特にメーカー側が実測により高精度を確認したものを10台購入した。当初計画にあった耐圧ガラス容器10台の購入は円安などで予算的に困難となったため、東大地震研から耐圧チタン容器10台を借り受け一部を改造して使用することとした。当初予定からの計画変更となったが、使用深度が拡大するなどかえって使い勝手がよくなり、順調な進展と判断する。 2.流速計システムの製作: 別途予算で購入した超深度流速計(1台)の改造は、メーカーとの特注交渉に予想以上に手間取り、必要経費の一部を次年度繰越とせざるをえなかった。しかし既製品では2週間しか持たないものが1年以上の観測できるようになることの意義は大きい。こうした意義を持つ長期観測可能な装置が完成したことから、計画はこの点においても概ね順調に進展したと言える。 3.アレー海底設置のための海洋研究開発機構船舶利用申請書の提出: 当初計画通り船舶利用の申請書を公募枠で申請し採択された。この点は順調な進展と判断する。 4.海洋長周期重力波励起源の探索: 海洋研究開発機構所有の熊野灘沖海底ネットワーク(DONET)の絶対圧水圧計及び海底広帯域地震計のデータを使って励起源探索を開始した。DONETの水圧計は今回使用予定の水圧計と原理は同じ水晶式で、海洋長周期重力波がきれいに記録されていることを確認した。順調な進展と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.高感度水圧計アレーシステムの製作:完成したアレーシステムを平成26年5月に青ヶ島東方沖海底に設置する。 2.流速計システムの製作:平成25年5月に宮城県はるか沖海底にパロサイエンティフィック社の水晶式新型加速度計を設置し、これに改造前の超深度流速計を付加した。改造前の装置なので2週間しか持たないが、平成26年3月に全システムが回収されたため、流速計の記録を解析してそのパフォーマンスを確認する。 3.アレー海底設置のための海洋研究開発機構船舶利用申請書の提出: 提出した申請書に沿って、平成26年5月の観測の準備を進める。 4.海洋長周期重力波励起源の探索: 熊野灘沖海底ネットワーク(DONET)の絶対圧水圧計及び海底広帯域地震計のデータを使って励起源探索を続ける。
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