2014 Fiscal Year Annual Research Report
遠距離海洋レーダを用いた対馬暖流の流路観測と流路分岐メカニズムの解明
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25247076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森本 昭彦 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (80301323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 哲太郎 独立行政法人水産大学校, 海洋生産管理学科, 准教授 (10371741)
雨谷 純 独立行政法人情報通信研究機構, 沖縄電磁波技術センター, センター長 (30358949)
藤井 智史 琉球大学, 工学部, 教授 (30359004)
市川 香 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40263959)
杉谷 茂夫 独立行政法人情報通信研究機構, 沖縄電磁波技術センター, 研究員 (70643170)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海洋レーダ / 対馬暖流 |
Outline of Annual Research Achievements |
山陰沖日本海の対馬暖流の流路変動を観測するため、海面流速を30分毎に観測可能な短波海洋レーダを長崎県対馬北端の舌崎と、山口県萩市の相島北部に設置した。電気工事の遅延のため、H25年度は敷地の整備とアンテナの設営まで行い、H26年度の初めに無線機等をサイトに搬入し稼働させた。レーダはH26年の5月より稼働させたが、送信アンテナの設計ミスにより安定した送信ができず、アンテナの改良が完了した6月より正常なデータが取得できるようになった。データは9月上旬までほぼ連続で取得することができた。また、この期間、海洋レーダの精度検証と、対馬暖流の鉛直構造を把握するため、6月と7月の2回、海洋レーダ観測海域において漂流ブイ観測をJAMSTECの新青丸により実施した。さらに、5測点に海底設置式流速計を1ヶ月半係留し、海洋レーダ観測海域の流速の鉛直分布データを取得することに成功した。船舶観測と係留観測により得られた流速データと海洋レーダデータを比較した結果、海洋レーダのビームが設計より少しずれていることが分かった。この問題を解決するためデータ処理プログラムを修正した。 9月以降は、対馬局から送信、対馬局と相島局で受信するバイスタティックモードでの観測実験を開始した。この実験では、何度か正常なデータが得られたが、外来ノイズが多いことと、相島局が海から少し離れた場所にあるため欠測になることが多かった。この問題を解決するため、ハード・ソフトの両面からシステムの改良を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定した2つの無線局からの送受信実験は問題なく行うことができたが、1局送信、2局受信を行う新たな実験を行ったところ、予想以上の外来ノイズと無線機の故障により、予定より少し遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
無線機の故障については、予備のユニットがあるためH27年度の5月には修理が完了する見込みである。外来ノイズの問題については、受信状況のよい対馬を受信局とし、ノイズの多い相島に送信局を置くことで対応することにした。この対応に加え、受信周波数の信号をより狭いレンジで抽出可能なフィルターを導入することで問題の解決を図る。現在、準備作業を進めており、H27年5月中旬には対応できる見込みである。
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Research Products
(7 results)