2015 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星-地上ネットワーク観測に基づく内部磁気圏の粒子変動メカニズムの研究
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25247080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塩川 和夫 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (80226092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 由純 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (10377781)
大塚 雄一 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (40314025)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気圏・電離圏 / 宇宙科学 / 超高層物理学 / 超高層大気環境 / 宇宙空間 / 国際情報交換(カナダ・ロシア) |
Outline of Annual Research Achievements |
・観測点候補地であるロシアのZhigansk観測点を管理するヤクーツクのIKFIA研究所に、誘導磁力計一式を送付し、ヤクーツクでの組み上げとテスト観測を開始した。また、同観測点に発送する高感度全天カメラとVLF波動受信機の輸入・設置許可を得るために、IKFIA研究所を通じてロシア政府への申請を行った。 ・関連機器による定常観測が行われている既存の観測点であるアサバスカ、トロムソ、マガダン、パラツンカ、レゾリュート、国内の母子里、陸別、信楽、鹿児島、佐多などの自動観測を維持・継続した。 ・アサバスカの誘導磁力計で観測されるPc1地磁気脈動と高感度全天カメラで観測される孤立プロトンオーロラが同時に発生・消滅していることを示してきたが、さらにPc1地磁気脈動の中に見られる数十秒スケールのサブパケット構造が、孤立プロトンオーロラの明滅と一対一対応をしていることも明らかにした。この発見は、Pc1地磁気脈動(電磁イオンサイクロトロン波動)の振幅のモジュレーションが波動粒子相互作用を介してオーロラの変動を引き起こしていることを明らかにした重要な成果である。この電磁イオンサイクロトロン波動は、人工衛星に悪影響を及ぼす放射線帯粒子の加速や消失を引き起こしていることがわかっており、今回の結果は、この加速・消失過程の時間・空間変化に示唆を与えるものである。 ・オーロラのパッチ構造を形成する過程の一つであるオーロラ指状構造について詳しい統計解析を行い、その発生確率、地方時依存性、地磁気活動度依存性などを明らかにして、この構造が磁気圏の圧力駆動型のプラズマ不安定に起因している可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、カナダとロシアの異なる経度のサブオーロラ帯の2カ所に機器を設置する予定で、機器の購入と組み上げをすすめた。ロシアは誘導磁力計を現地に送り、他の機器も送る準備を進めている。ロシア政府の設置許可とGPS受信機の輸送許可の取得に予想外に時間がかかっており、GPS受信機は許可取得を断念して現地対応機関で別途制作してもらうことになった。一方カナダは、ニューブランズウィック大学側に対応の問題があり、設置について日本側としては設置場所を再考し、同じカナダの東海岸に位置するNain観測点に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を発展させて、カナダ・ロシアの2か所だけでなく、フィンランド、アラスカ、アイスランドなどを含めた北極圏を1周する8か所に誘導磁力計、VLFアンテナ、リオメータ、高感度全天カメラを設置する計画が平成28年度の特別推進研究として、本研究の研究代表者を代表として採択された。これに伴い、本研究(基盤研究A)は平成28年度初旬に廃止になり、特別推進研究に発展的に引き継がれることになった。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] A direct link between chorus emissions and pulsating aurora on timescales from milliseconds to minutes: A case study at subauroral latitudes2015
Author(s)
Ozaki, M., S. Yagitani, K. Sawai, K. Shiokawa, Y. Miyoshi, R. Kataoka, A. Ieda, Y. Ebihara, M. Connors, I. Schofield, Y. Katoh, Y. Otsuka, N. Sunagawa, and V. K. Jordanova
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Journal Title
J. Geophys. Res.
Volume: 120
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Auroral fragmentation into patches2015
Author(s)
Shiokawa, K., A. Hashimoto, T. Hori, Y. Otsuka, S.-I. Oyama, S. Nozawa, K. Sakaguchi, Y. Ogawa, E. Donovan, E. Spanswick, M. Connors, K. McWilliams, M. Lester and M. G. Johnsen
Organizer
The 26th IUGG/IAGA General Assembly
Place of Presentation
Prague, Czech Republic
Year and Date
2015-06-22 – 2015-07-02
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Japanese Geospace Exploration: ERG PROJECT2015
Author(s)
Miyoshi, Y., I. Shinohara, T. Takashima, K. Asamura, H. Matsumoto, N. Higashio, T. Mitani, S. Kasahara, S. Yokota, Y. Kazama, M. Hirahara, Y. Kasaba, A. Matsuoka, H. Kojima, M. Fujimoto, K. Shiokawa, K. Seki, Y. Nakamura, K. Nitta, S. Fukuda, E. Ogawa, T. Ono, and the ERG project team
Organizer
Korean Space Science Meeting
Place of Presentation
Korea
Year and Date
2015-04-29 – 2015-04-30
Int'l Joint Research
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