2013 Fiscal Year Annual Research Report
全溶融地球の実験的再現:初期地球内部の物質分化過程の解明
Project/Area Number |
25247087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 元彦 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50401542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂巻 竜也 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30630769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高圧力実験 |
Research Abstract |
高温高圧力条件下における弾性波速度測定を行うための、赤外線レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置と組み合わせたブリュアン散乱分光測定装置の導入、整備及び高温高圧力条件下におけるラマン散乱測定装置の導入を計画通り進めることができた。本システムを用いて、100万気圧を越えるような超高圧力条件での弾性波速度測定およびラマン散乱測定を行うことに成功している。 地球深部に存在する珪酸塩マグマ/メルトの模擬物質としての珪酸塩ガラスの200万気圧を越えるような超高圧力条件でのブリュアン散乱測定を様々な組成において行い、超高圧力条件下での異常な弾性波速度上昇をいずれの組成についても確認することができた。この弾性波速度の上昇のメカニズムを解明するために、大型放射光施設SPring-8における放射光X線を用いて、シリカガラスのX線回折測定を圧力200万気圧までの圧力条件で行い、実験結果を逆モンテカルロ法および密度汎関数法を用いて高圧力条件下でのシリカガラスの構造モデルを検討した結果、140万気圧以上の圧力条件においてSi-Oの配位数が6以上に増加する傾向を明らかにすることができた。また電子状態計算の結果、酸素およびケイ素ともに圧力の増加に伴った電荷の変化が見られないにもかかわらず、ボロノイ法によって定義される酸素の原子体積は圧力約30万気圧までに劇的な減少が起こっていることを明らかにした。この酸素のボロノイ体積の減少はSi-Oの4から6の配位数変化の圧力条件と一致し、配位数変化と酸素のボロノイ体積変化が連動していることを突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温高圧力条件下における弾性波速度測定を行うための、赤外線レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置と組み合わせたブリュアン散乱分光測定装置の導入、整備及び高温高圧力条件下におけるラマン散乱測定装置の導入を計画通り進めることができた。また本システムを用いて、100万気圧を越えるような超高圧力条件での弾性波速度測定およびラマン散乱測定を行うことに成功したため。 また、ガラス物質においても圧力200万気圧を越える条件にて弾性波速度測定およびX線回折測定を行い、超高圧力条件下での高密度メカニズムの定量的知見を得る事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ガラスで得られた超高圧力条件での高密度化メカニズムが珪酸塩メルトでも起こっているかどうかの検証のための実験、解析、構造モデル構築を目指す。
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Research Products
(8 results)