2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25249014
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 源太 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50214672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 雅樹 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20550304)
後藤 晋 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40321616)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に開発した数値計算プログラムを用いて,平面クエット流及び周期箱流に対して高レイノルズ数での不安定周期解を求めた. 平面クエット流については静的スマゴリンスキーモデルを適用したLES方程式の周期解を計算した.レイノルズ数を増加させることが容易でないため,スマゴリンスキー定数を大きめに設定し,分子粘性を減少させたところ,2平板間距離の半分及び2平板間速度差の半分に基づくレイノルズ数を約2000まで増加させることに成功した.このレイノルズ数においても,低レイノルズ数の場合と同様に,周期解は同一レイノルズ数における乱流状態の平均速度分布やrms速度分布をよく再現することが明らかとなった.ただし,スマゴリンスキー定数を大きめに設定しているため,周期解及び乱流状態ともに対数的な平均速度分布は見られなかった. 一方,周期箱流については,Kidaの高対称性を課した系に対してナビエ・ストークス方程式の周期解を計算した.この系での周期解については,これまでの研究によって,5周期解が同一レイノルズ数の乱流のエネルギースペクトル及びコルモゴロフの相似則を満足することが知られていた.平成28年度は5周期解のおよそ1/5の周期を有する1周期解に着目し,その性質を調べた.その結果,1周期解も5周期解と同様に,同一レイノルズ数での乱流のエネルギースペクトルを再現するとともに,レイノルズ数の増加とともにエネルギー散逸率が一定値に近づき,コルモゴロフの相似則を満足することが明らかとなった.この1周期解は1周期あたり1回のエネルギーカスケード事象(エネルギーの系への注入,高波数域への伝達,エネルギー散逸から成る)が観測されるため,乱流の動力学と乱流統計とを結びつける最も基本的な周期解であるといえる.現在はテイラー長レイノルズ数を約88まで上げることに成功している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LES方程式に対しては約2000のレイノルズ数,ナビエ・ストークス方程式に対してはテイラー長レイノルズ数が約88の不安定周期解を求めることに成功し,これらの不変解が乱流の構造と統計量をよく再現することが明らかとなったためである.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後もより高レイノルズ数の乱流を再現する,ナビエ・ストークス方程式,LES方程式の不変解を求めるため,現在求めることができている不変解をレイノルズ数を上げながら追跡すると同時に,高レイノルズ数の状態において直接不変解を求めることを目指す.得られた高レイノルズ数の不変解を用いて乱流構造と乱流統計量との関連性を解析する.
|
Research Products
(36 results)