2014 Fiscal Year Annual Research Report
原発事故復興支援および超高度自律制御型空中・地上ロボットシステムの総合的研究
Project/Area Number |
25249021
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野波 健蔵 千葉大学, 事務局, 特別教授 (30143259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大武 美保子 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10361544) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 飛行ロボット / 自律制御 / バッテリー自動交換ロボット / 屋内飛行 / 管制センター / SLAM / FPV方式飛行 / 原発建屋内実証実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,福島原発事故被災地での建屋内飛行による未知環境での放射線量計測,ダストサンプリングなどに資する超高度情報収集可能なシステムとして,いつでもどこでも誰でも使用が可能となる,超小型カメラを始めとする様々なセンサを搭載した2Kg~5kg程度の複数の超小型空中ロボット(UAVs)と小型知能移動ロボットや1トン程度の大型ロボット(UGVs)とを完全自律協調制御システムとして実現するための総合的研究を行った.とくに、①原発建屋内飛行が可能なプロペラガード付き機体の改良と軽量化,②FPVカメラ主導での半自律型遠隔操縦が可能な地上システム管制センターの確立と小型化,③SLAM技術を適用した自己位置同定と3次元マッピング技術の確立と信頼性向上,④UAVsとUGVsが1つのタスクを実現するためのSLAMを用いたバッテリ瞬時自動交換システムの研究, ⑤実際に福島第一原子力発電所5号機での実証試験を行った.実証試験はシナリオ通りにSLAMを用いた自己位置推定と3次元マッピングにより完璧に成功した.さらに,約140機関から構成されるミニサーベイヤーコンソーシアムも活発に活動して,強力な産学関連携体制のもとで,早期の実用化へ道をつける体制も構築できた.平成26年度は,科研費の成果を発展させるべく「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)[タフロボット・チャレンジ]」の飛行ロボットチーム研究責任者で採択された.また,戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)[インフラ維持管理・更新・マネジメント技術],[次世代農林水産業創造技術]にも採択された.さらに,福島県のプロジェクトである「災害対応ロボット産業集積支援事業」にも採択された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究により,SLAM,バッテリ自動交換システムを利用した世界初の最先端屋内自律飛行システムが確立し,かつ,福島原発事故の原子炉建屋内実証試験も成功した.この技術は世界初であり,この技術を活用した様々な応用分野も浮上してきている.たとえば,インフラ点検ロボットとして,橋梁やトンネルの点検ロボットとして非GPS空間で,自律飛行や半自律飛行に資することができることである.また,製鉄所やプラント機械メーカーの施設設備点検がこの技術を適用して可能となり,大きな市場になることと予想される.コンソーシアムの産学官連携の体制が140社を擁して強力に推進していることも大きな成果である.以上が、おおむね順調に進展していることの理由である.
|
Strategy for Future Research Activity |
飛行ロボットはその大半がGPSを利用した屋外飛行で,本研究のような特殊な環境での屋内の自律飛行はこれまで内外でほとんどない。本研究を通じて長時間の屋内飛行の技術が確立したので、今後は様々な分野の実応用で威力を発揮すると確信する.特に,バッテリ自動交換システムを利用した無制限飛行を証明することが重要である。平成26年度は,科研費の成果を発展させるべく,「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)[タフロボット・チャレンジ]」の飛行ロボットチーム研究責任者で採択され,また,戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)[インフラ維持管理・更新・マネジメント技術],[次世代農林水産業創造技術]に採択され,福島県のプロジェクトである「災害対応ロボット産業集積支援事業」に採択され,また,ふくしま医療福祉機器(救急・災害対応医療機器)開発事業費補助金「マルチコプタによる火山性災害における遭難者救援システム」に採択された.これらの研究を強力に推進することで本研究を発展させていく計画である.
|