2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックマイクロプラズマ励起AlGaN10Wクラス高出力深紫外発光素子の開発
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25249053
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
青柳 克信 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 上席研究員 (70087469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 格 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10374018)
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20312126)
神子 直之 立命館大学, 理工学部, 教授 (70251345)
黒瀬 範子 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (50520540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 深紫外発光素子 / プラズマ励起 / 深紫外光源 / 大面積 / マイクロプラズマ / 波長可変 / 紫外線殺菌 / 紫外線分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本年度はSi基板上のAlGaNエピタキシャル結晶成長技術の開発を行った。特にSi基板上にAlGaNをエピタキシャル成長させる為にはGaによるSi基板のメルトバック現象を負せくためにAlNバッファー層を導入する必要がある。しかしAlNはいくらドーピングしてもバンドギャップが大きいため絶縁性を示し電流を流す事ができない。従ってAlGaNエピタキシャル膜をMIPEの発光ターゲットとして用いようとするとこのままでは電荷蓄積が起こり効率よくターゲットを励起できない。本年度はこの問題を克服するために、AlNバッファー層に導電性を持たせる方法の開発を行い、それに成功した。すなわち自然形成ビアホール形成法を新たに開発しこのビアホールを通して電流を流す事に成功しAlGaNエピタキシャル結晶を発光体ターゲットにした場合でも帯電効果が無いターゲットを作製することに成功した。 2.セル構造に新たに着火レデイ方式を生み出した。この方法はMIPEの印加電圧系列の中でプラズマの予備放電を取り入れる方式で、この方法により、大変安定した放電を得ることに成功した。 3.本方式を用い寿命テストを行った。オレンジ2の様な分解したい染料の分解実験、あるいは水の殺菌実験を行うに当たり、十分の時間と考えられる、30分以上の安定発光が得られることがわかった。 4.実験をしていく中で、水の殺菌は180~210nmの波長が効率よく興味深い波長である事がわかってきたので、それらの波長を出すことができる新たな材料の開発をこころみた。その材料を用いまだ弱いが希望する190nm近傍のMIPE発光を売ることができた。 5.派生的な成果として自然形成ビアホールを用い基板剥離やレジストプロセスのいらない縦型紫外発光素子、縦型深紫外受光素子の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.新たに自然形成ビアホール法を開発し、導電性を持ったAlNバッファー層の作製に成功した。これはMIPEの問題となっていた帯電現象をなくすことができる重要な技術である。またこの技術はMIPE にとどまらず縦型LED、縦型紫外センサーをも実現可能とする幅広い応用を可能にする技術であり、その実現にも成功した。これは特筆することができる。 2.着火レデイ方式のMIPEを開発し、安定な放電を売ることに成功した。これは放電シーケンスの中に予備放電を導入するもので、放電の系を安定化できることがわかった。 3.当面殺菌や色素分解実験に必要な時間の30分間をめどにMIPE素子が稼働することを実証することができた。これは将来の長寿命化につながるものである。 4.MgOを用いたMIPEで新たな波長の190nm近傍での発光に成功した。これはMgOをスパッタ蒸着したターゲットを用いるものでAlGaNを用いたMIPEよりも作製法が簡単であり、MIPE作製コストの低減、短波長化に寄与するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.自然形成ビアホール持ったAlNバッファー層を使用した高品質AlNAlGaNエピタキシャル結晶成長法を開発する。 2.自然形成ビアホールの形成機構を明らかにし、より伝導性のある自然形成ビアホールを作製する。 3.MgO-MIPEの開発を更に進め、異なった材料のMIPE発光の可能性を探索しより短波長発光を目指す。 4.新たに自由にパラメーターを変えることができるセルを作製し、パラメーターの最適化を行う。 5.高出力化に向け新たなセル構造の開発、大面積化を行う。
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Research Products
(5 results)