2014 Fiscal Year Annual Research Report
深海底におけるメタンハイドレートの高度な生産手法の開発と地層変形の評価
Project/Area Number |
25249065
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
兵動 正幸 山口大学, 理工学研究科, 教授 (40130091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 素之 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00304494)
吉本 憲正 山口大学, 理工学研究科, 助教 (00325242)
田中 一宏 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30188289)
川村 喜一郎 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (50321675)
中田 幸男 山口大学, 理工学研究科, 教授 (90274183)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタンハイドレート / 砂 / 分解実験 / 温度 / 間隙水圧 / 構成モデル / 減圧法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.メタンハイドレート生産模型実験装置を用いて、まず砂だけを投入して飽和後生産井から減圧を行い、透水試験を行い、高圧下での浸透特性を調べた。次に、生産井から減圧・加圧の繰返しを行い、透水性の向上を調べた。その結果、シリカ砂についてはその効果は見られなかったが、細粒分を含む砂で効果が認められた。これは、井戸周りの粒度特性の変化によるものと考えた。次に、豊浦砂をホスト砂としてメタンハイドレートを生成させ、生産井からの減圧によるメタンハイドレートの分解実験を行った。試料中にメタンハイドレートを均質に作ることに手間取り、主として生成実験に集中した。分解実験も2ケース行った。その結果,分解時の間隙水圧変化や温度変化を測定することができた。 2.高圧平面ひずみ試験機を用いて、種々の粒子形状から成る砂にメタンハイドレートを生成させ、減圧法、加熱法によるメタンハイドレート分解実験を行った。その結果、メタンハイドレート分解による温度低下が測定でき、また観察窓に取り付けたカメラによる画像解析から、分解に伴う供試体の局所変位を求めることができた。 3.メタンハイドレートを含む砂の弾塑性構成則をホスト砂の細粒分含有率の影響を考慮して作成した。南海トラフのメタンハイドレート貯留層は細粒分を含むことから、細粒分の影響を考慮することが必要であった。4種類のホスト砂にメタンハイドレートを生成させ、高圧三軸試験機でせん断試験を行い、そのストレスダイレイタンシー関係を調べ、構成則を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタンハイドレート生産模型実験装置がうまく稼働し、透水性を向上させる手がかりがつかめた。また、高圧平面ひずみ試験機で、種々の粒子特性の砂にメタンハイドレートを生成させ、分解実験を行うことが成功し、メタンハイドレート分解による温度低下、局所変形をうまくとらえることができ、資料を蓄積することができた。さらに、メタンハイドレート胚胎砂の細粒分含有率の違いがせん断挙動の違いに及ぼす影響が明らかとなり、構成則に含めることができた。以上のことから研究は順調に進んでいると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、メタンハイドレート分解模型実験において、現地に近い粒度の砂試料にメタンハイドレートを生成させ、メタンハイドレート分解実験を行う。さらに補助井から加圧などを行って、メタンハイドレートの生産効率を上げることを検討する。また、解析によるシミュレーションも実施する予定である。
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