2015 Fiscal Year Annual Research Report
交通ネットワークのリスクマネジメントのための動的行動・交通流解析理論の構築
Project/Area Number |
25249070
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝倉 康夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80144319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽藤 英二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60304648)
山本 俊行 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80273465)
井料 隆雅 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10362758)
日下部 貴彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80604610)
吉井 稔雄 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90262120)
桑原 雅夫 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50183322)
中山 晶一朗 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (90334755)
圓山 琢也 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (20361529)
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
福田 大輔 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70334539)
長江 剛志 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379482)
高山 雄貴 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90612648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 交通工学 / 交通ネットワーク / 交通行動分析 / 交通流理論 / リスクマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
高度情報化社会では,突発事象や災害によりシステム障害が発生した際に,その影響を最小化するような交通ネットワークの動的運用が求められている.本研究は,応募者らがこれまでに進めてきた科学研究費補助金・基盤研究(A)による研究成果をもとに,交通ネットワークのリスクマネジメントのための交通行動分析とネットワーク解析の理論的基盤を確立することにある.具体的には,①プローブパーソン手法を改良することにより交通システム利用者の行動調査・分析手法を高度化することと,②時空間解像度の高い行動データを用いた動的ネットワーク交通流解析手法を開発することである.さらに,③開発した新たな行動分析手法とネットワーク解析手法を統合し,リスクマネジメントのための動的ネットワーク行動解析システムを構築する.平成27年度の主な成果は以下のとおりである. ①実際の都市空間で交通行動調査を実施し,ネットワーク上の行動データを収集すると同時に,機能低下したネットワーク上での選好意識データを収集した.調査データを用いて,前年度に定式化した行動モデルの構造を推定した. ②交通流モデルの数値解析と感度分析を踏まえ,障害が発生した状況での交通流の挙動を再現できるネットワークモデルを研究した. ③機能低下した交通システムのリスク評価の視点から,現象解析モデルである行動モデルと動的ネットワーク交通流モデルを検証した. ④わが国で開催された2つの国際シンポジウム(ISTTT,INSTR)に合わせ,交通行動分析,交通流理論,信頼性分析に関する最新の理論的成果を把握した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と分担者の連携により,研究の三本柱である①交通行動データの収集手法と解析理論,②ネットワーク動的交通流モデルの基礎理論,③交通システムのリスクマネジメント理論のいずれもが体系的に検討できており,これらを一体化して,実際の都市空間で収集された行動データの解析を踏まえたネットワークモデルの構築にも展開されつつある. 研究代表者と分担者は,2015年に我が国で開催された2つのレベルの高い国際シンポジウムである国際運輸交通理論シンポジウム(ISTTT,神戸で開催)と交通ネットワーク信頼性の国際シンポジウム(INSTR,奈良で開催)を主催し,国際的な情報発信も行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の計画は以下のとおりである. ①行動・交通流の統合モデルの検証: 実際の都市空間における行動データとネットワークデータを用いて,前年度に構築した交通行動・ネットワーク交通流の統合モデルの現況再現性の検証と感度分析を行い,適用地域の特性を反映したモデルパラメータの調整を行う. ②障害発生時のネットワークマネジメントへの適用: 機能低下したネットワークの社会的損失を最小にするリスクマネジメントへの適用を目指し,統合モデルを用いてリンクの回復順序や施設配置シナリオを比較検討し,方法論の適用範囲と課題を明確にする. ③研究成果のとりまとめ: 4年間の研究成果をとりまとめ,国内外の学会等で成果を発表するとともに,和文および英文の報告書を作成し成果報告会を開催する.
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Research Products
(36 results)