2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25249084
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 潤一郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (80151372)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 重敦 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40321624)
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (40721361)
日向 進 京都美術工芸大学, 工芸学部, その他 (60111994)
中川 理 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60212081)
小野 芳朗 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50152541)
松下 迪生 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 研究員 (50638880)
高妻 洋成 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, その他 (80234699)
|
Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
|
Keywords | 模型 / 日本建築 / 博覧会 / 展示 / 海外 / 建設技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本が博覧会という機会にどのように建築を展示してきたか、という面から、日本の建築文化の海外発信、および海外の建築文化の受容の様相を探ろうとするものである。 平成26年度前半は、25年度に着手したウィーン万博出展の大名屋敷模型の調査とそのデータの分析に引き続き取り組んだ。まず同模型を所蔵する世界博物館の主催によって5月5日、6日に開催された国際シンポジウムに研究分担者の清水重敦、日向進、および大学院生が出席して、これまでの調査による知見を述べ、他の研究者との討論に参加した。6月23日から6月27日まで、石田・清水が大学院生7名とウィーン世界博物館での最終的な実測調査を進め、28日にはウィーン工科大学とのワークショップをおこなって、理解の深化に努めた。また分担者である高妻洋成は別途、同模型の材料の非破壊検査をおこなった。また11月15日には所属機関予算で来日する機会を得たウィーン世界博物館のメンバーと意見交換の機会を持った。ここまでの大名屋敷模型をめぐる調査によって、実測図の作成と各部分の技法の分析、模型作成の経緯の解明が可能となった。この成果を報告書としてまとめており、27年度前半に完成の予定である。 一方、ウィーン万博以外の機会にヨーロッパに出展された建築模型の所在について、オランダ、ドイツ、スイスでの調査を進め、ドレスデン、バーゼルの博物館に収蔵されている建築模型、工具について予備的調査をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、以下の4項目の目的を設定した。①建築展示物インベントリー作成のための基礎的情報収集・整理、②ヨーロッパ所在の建築展示物の現存状況調査、③国内所在の建築展示物の現存状況調査、④関連研究の実施と研究会の開催。 このうち、①については明治期の大型博覧会については国内外の史料調査を進めており、模型制作の経緯に関する新知見を得ている。②についてはウィーン世界博物館所蔵模型についての調査を完了した。③については①と連動して調査を継続している。④については、ウィーンでの国際シンポジウムとワークショップなどをおこなって、知見の精緻化を図っている。 ウィーンの大名屋敷調査報告書の作成が遅延しているなどの問題はあるが、研究の展開の方向性が明確になっており、所期の目的を達成したと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においては、ヨーロッパ、特に予備的調査をおこなっているオランダ・ライデン民族学博物館、スイス・バーゼル博物館を核に現地調査を実施し、さらにアメリカ合衆国についても万国博開催地を中心に調査する。同時に国内所在の建築展示物の一次調査を継続する。これらと並行して、建築展示物インベントリー作成の情報収集を進める。またウィーンでの調査結果の報告書を完成させ、これを契機とする研究会を開いて成果の検証をおこなう。 28年度以降はインベントリー作成をさらに進める中で、展示物の制作サイドにも視野を広げて、日本国内の建築の状況と東西交流の展開という2つの局面を統合的に考え得る視座を構築していく。
|